超臨界水酸化による廃棄物の処理実験

 小型のバッチ式ならびに流通式超臨界水反応装置(図1)を用いて、上記システムのための基礎的データを得て解析する。

 これまでに下水汚泥、糖蜜のアルコール蒸留廃液等の超臨界水中での酸化分解実験を行ってきた。過酸化水素を酸化剤として処理したところ、10分程度の反応時間でほぼ完全にTOCを測定限界以下にすることができた。(図2)残存TOCは酸化剤を化学量論以上添加した場合は658−873Kの温度においてほぼゼロであり、量論以下の酸化剤量では高温ほどTOCが小さかった。(図3)また、反応中間体として生成する酢酸(図4)とアンモニア(図5)の分解が律速であることがわかった。(図6)特に、アンモニアのN2への完全分解は600℃程度の高温を必要とした。今後、固体生成物の分析、エネルギー回収の検討などを行う。