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層状銅酸化物のインターカレーションによる機能性材料の開発

 種々の層状酸化物はその層と層との隙間(層間)のイオンを交換したり、他の物質を取り込んだりする機能をもっている(インターカレーション)。例えば左の図は水を分解する光触媒、層状タンタル酸塩の層間に塩化銅を挿入した複合体の合成を示している。層間に多様な物質を挿入することによって物性が大きく変化し、電気的、光学的、化学的機能性が発現する。

 この他、Cuを含む酸化物高温超伝導体の中でも最も二次元的性質が強いBi系化合物の層間にヨウ化リチウムやヨウ化銅がインターカレートされる新たな現象を発見した。インターカレーションに伴う結晶構造や電子状態の変化を追跡するとともに、超伝導特性の制御を調べている。また、212型層状銅酸化物において、層間にインターカレートした酸素が電気伝導性に及ぼす影響を、欠陥反応式に基づいて定量的に評価している。

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