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層状酸化物のナノ複合体光触媒の開発

ナノスケールの複合体をデザイン

 新しい光触媒材料への応用を目的として、チタン酸塩、タンタル酸塩、バナジン酸塩などの層状複合酸化物半導体の層間架橋によるナノ・メソ多孔体の合成に挑戦している。層間架橋とは、層状ホストの層と層との隙間に異なる半導体微粒子の支柱を形成させ、細孔構造とともに局所的なヘテロ接点を構築する有効な手法である。層の組成と支柱の組み合わせで極めて多様な組み合わせが可能で、高い光触媒作用の発現が期待できる。

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 実際の電子顕微鏡写真の一例を下に示す。始めはまっすぐの柱状結晶(左)だが、層間にヘキシルアミンを導入するとくねくねと曲がった結晶へと変化し(中央)、最後には結晶全体にスリット状の隙間が生じた(右)。層と層との間に酸化物の支柱が形成したことを示している。得られた多孔体(右)は光触媒として優れた性能を示した。

酸化銅で架橋後

ヘキシルアミンインターカレート後

K2Ti4O9結晶