1.趣旨

 優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることは、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者を育成する上で極めて重要なことである。
 このため、独立行政法人日本学術振興会(以下「本会」という。)は、大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」に採用し、研究奨励金を支給する。
 また、世界の最高水準の研究能力を有する若手研究者を養成・確保する観点から、審査により、特に優れた大学院博士課程修了者等を特別研究員-SPD として採用し、研究奨励金を支給する。
 本募集は、採用後、我が国の大学、短期大学、大学共同利用機関、高等専門学校、国公立試験研究機関等、学術研究・研究開発活動を行う独立行政法人、特殊法人、政府出資法人、一般財団法人、一般社団法人又は民間研究機関(「8.研究に従事する機関」(2)参照)において研究に従事する者を対象とする。


2.対象分野

人文・社会科学及び自然科学の全分野


3.採用予定数

約1,600名


4.採用区分

特別研究員-DC1(大学院博士課程在学者)
特別研究員-DC2(大学院博士課程在学者)
特別研究員-PD (大学院博士課程修了者等)
特別研究員-SPD (大学院博士課程修了者)


5.申請資格

 申請資格は、採用区分に従い次のとおりである。特別研究員に採用されたことがある者(以下「特別研究員採用経験者」という。)は、「6.特別研究員採用経験者の申請資格」も満たす必要がある。
 なお、申請資格については、改定されている点があるので、注意されたい(下記太字の箇所)。詳細については、「別添 特別研究員申請資格等の改定について」を参照のこと。


(1) 特別研究員-DC1(大学院博士課程在学者)

年齢 平成22年4月1日現在
 3年制又は5年一貫制の博士課程在学者:34歳未満
 医学、歯学又は獣医学を履修する4年制の博士課程在学者(次の③、④を除く):35歳未満
 法律(医師法(平成12年の法改正前)、歯科医師法又は獣医師法)に定める臨床研修を修了した者で、医学(次の④を除く)、歯学又は獣医学を履修する4年制の博士課程在学者:36歳未満
 医師法(平成12年の改正法)により義務付けられた2年以上の臨床研修を修了した者で、医学を履修する4年制の博士課程在学者:37歳未満

在学年次

平成22年4月1日現在、我が国の大学院博士課程に在学し、次のいずれかに該当する者(外国人も含む)
 区分制の博士課程後期第1年次に在学する者
 一貫制の博士課程第3年次に在学する者
 後期3年の課程のみの博士課程第1年次に在学する者
 医学、歯学又は獣医学系の4年制の博士課程第2年次に在学する者
※①〜③において、平成22年4月に博士課程後期等に進学する予定の者を含む


(2) 特別研究員-DC2(大学院博士課程在学者)

年齢 平成22年4月1日現在
 3年制又は5年一貫制の博士課程在学者:34歳未満
 医学、歯学又は獣医学を履修する4年制の博士課程在学者(次の③、④を除く):35歳未満
 法律(医師法(平成12年の法改正前)、歯科医師法又は獣医師法)に定める臨床研修を修了した者で、医学(次の④を除く)、歯学又は獣医学を履修する4年制の博士課程在学者:36歳未満
 医師法(平成12年の改正法)により義務付けられた2年以上の臨床研修を修了した者で、医学を履修する4年制の博士課程在学者:37歳未満

在学年次

平成22年4月1日現在、我が国の大学院博士課程に在学し、次のいずれかに該当する者(外国人も含む)
 区分制の博士課程後期第2年次以上の年次に在学する者
 一貫制の博士課程第4年次以上の年次に在学する者
 後期3年の課程のみの博士課程第2年次以上の年次に在学する者
 医学、歯学又は獣医学系の4年制の博士課程第3年次以上の年次に在学する者

 ※ 平成22年4月1日において博士課程に標準修業年限を超えて在学することになる者は、特別研究員-PDに申請すること。(下記の(3)特別研究員-PD「学位」②を参照)


(3) 特別研究員-PD(大学院博士課程修了者等)

年齢 平成22年4月1日現在
 3年制又は5年一貫制の博士課程修了者:34歳未満
 医学、歯学又は獣医学を履修する4年制の博士課程修了者(次の③、④を除く):35歳未満
 法律(医師法(平成12年の法改正前)、歯科医師法又は獣医師法)に定める臨床研修を修了した者で、医学(次の④を除く)、歯学又は獣医学を履修する4年制の博士課程修了者:36歳未満
 医師法(平成12年の改正法)により義務付けられた2年以上の臨床研修を修了した者で、医学を履修する4年制の博士課程修了者:37歳未満

学位

次のいずれかに該当する者
 平成22年4月1日現在、博士の学位を取得後5年未満の者(平成17年4月2日以降に学位を取得した者。申請時においては、見込みでも良い。)。ただし、人文学又社会科学の分野にあっては、我が国の大学院博士課程に標準修業年限以上在学し、平成22年3月31日までに所定の単位を修得の上退学した者で、博士の学位を取得した者に相当する能力を有すると認められる者を含む。
 平成22年4月1日において博士の学位を取得する見込みがなく、博士課程に標準修業年限を超えて在学することになる者(ただし採用は、特別研究員-DC2となるので、特別研究員採用経験者は採用されない。)

研究従事
機関

採用時、研究に従事する研究室が大学院在学当時の所属研究室(出身研究室)以外の研究室であること
 ※  特別研究員等審査会の判定により大学院在学当時の所属研究室を例外的に認めることがあるので、その場合は理由書(様式別紙)を添付すること

国籍

日本国籍を持つ者、又は我が国に永住を許可されている外国人

 

(4) 特別研究員-SPD(大学院博士課程修了者)

 採用区分にある特別研究員-SPD については、平成22年度募集において特別研究員-PD に上位で合格し、次の要件を満たす者の中から、特に優れたものを採用する。


(5) 採用時の資格確認

 在学証明書(平成22年4月1日以降の交付日)、又は、学位取得証明書(人文学又社会科学の分野にあっては、我が国の大学院博士課程に標準修業年限以上在学し、平成22年3月31日までに所定の単位を修得の上退学したことを証明する書類でも可)を採用内定後、指定の期日までに提出できない場合は、採用されない。


6.特別研究員採用経験者の申請資格

 特別研究員採用経験者は、再度申請することはできない。
 ただし、特別研究員-DC1又は特別研究員-DC2採用経験者が特別研究員-PD に申請(以下「再申請」という。)することは、次に該当する場合を除き、妨げない。

 ○ 過去に特別研究員-PD 又は特別研究員-SPD に採用内定後、学位未取得等により資格を変更し、特別研究員-DC2に採用されたことがある場合。

 また、特別研究員-RPD(出産・育児による研究中断者への復帰支援フェローシップ)については、趣旨が異なることから、特別研究員-RPD 採用経験者が、この募集要項の特別研究員に、再度申請することを妨げない。

 

7.採用期間

(1) 特別研究員-DC1 平成22年4月1日から平成25年3月31日までの3年間
(2) 特別研究員-DC2 平成22年4月1日から平成24年3月31日までの2年間
(3) 特別研究員-PD 平成22年4月1日から平成25年3月31日までの3年間
(4) 特別研究員-SPD 平成22年4月1日から平成25年3月31日までの3年間

8.研究に従事する機関

(1)  特別研究員-DC1及び特別研究員-DC2にあっては、在学する我が国の大学院研究科とする。
  〔注〕  大学院設置基準第13条の「研究指導の委託」により、他の大学院又は研究所等(外国の研究機関を含む)において必 要な研究を行うことができる。

(2)

 特別研究員-PD及び特別研究員-SPDにあっては、我が国の次の機関とする。 ただし、文部科学省科学研究費補助金の応募資格のある機関に限る。
   大学、短期大学、大学共同利用機関、高等専門学校
   国公立試験研究機関等
   学術研究・研究開発活動を行う独立行政法人、特殊法人、政府出資法人、一般財団法人、一般社団法人
 

 民間研究機関(大学の連携大学院の相手方として教育研究実績を上げている機関の他、若手研究者養成に適切であると本会が認めた機関)

 
〔注〕
(ア)  研究に従事する機関は、年度単位で異なるものを選定することができる。
(イ)  研究上必要と認められる場合には、一定期間他の研究機関(外国の研究機関を含む)においても研究を行うことができる。
 ただし、外国の研究機関において研究を行う場合にあっては、特別研究員-PDは採用期間の1/2以内とし、特別研究員-SPDについては採用間の2/3以内とする。学生として留学することはできない。


9.研究奨励金

平成21年度の支給予定額は以下のとおり。なお、研究奨励金の額については変更することがある。
(1) 特別研究員-DC1 月額200,000円 
(2) 特別研究員-DC2 月額200,000円 
(3) 特別研究員-PD 月額364,000円 (ただし、博士の学位を取得していない者は、月額200,000 円)
(4) 特別研究員-SPD 月額446,000円 


10.研究費

 特別研究員には、科学研究費補助金(特別研究員奨励費)の応募資格が与えられ、本会科学研究費委員会の審査を経て毎年度150万円以内(特別研究員-SPDは、300万円以内)の研究費が交付される。