Mokhtar Ashkan
  • 論文投稿までのウラ話05

Reversible Luminescence Photoswitching of Colloidal CsPbBr3 Nanocrystals Hybridized with a Diarylethene Photoswitch

研究室配属時に栗原研を選んだ理由はなんですか?

私は化学の勉強を始めた頃から有機化学に魅力を感じ、将来、有機化学の研究に取り組みたい気持ちがありました。栗原研究室は熊本大学で有機化学を基盤として、光化学や高分子化学、生化学などを組み合わせた幅広い分野の研究を行っているところに魅力を感じました。また、研究室を選ぶとき、研究室の雰囲気や指導教員とのコミュニケーションが非常に重要となるので、自分が頑張れそうな研究室を選ぶことが非常に大事だと考えていました。研究室配属の前に研究室訪問をしたところ、指導教員や研究室のメンバーの雰囲気が自分に合っていると感じられたので、研究内容と研究室の雰囲気の両方の面から栗原研究室を選びました。

普段どんな感じで実験していますか?

私は実験に時間をかけ、丁寧にやるタイプです。私の研究は主に有機合成がメインとなるので、朝、研究室に行ってからその日に使う器具を集め、一つ一つがきれいであるかどうかをチェックします。その後、装置を組み立て昼前頃に実験を開始します。有機化学の実験は待ち時間が長いこともあるので、その間に最新の論文を読んで勉強したり、天気の良い日はたまに近くの山までツーリングに行ったりしています(趣味:バイク)。その後、実験を引き続き行い、きりのいいところまで終わらせます。だいたいの目安として、ひとつの合成ステップを、反応に1日、精製(合成した化合物をきれいにする作業)に1日というペースで実験を進めるようにしています。有機合成の研究は急に進むことはないので、毎日コツコツとやることが大事だと感じています。

今回論文を書き始める時の気持ちはどんな感じでしたか?

やはり研究は論文になることで初めて、正式なものとみなされると思います。論文に求められるのは、話のつながり、研究結果の面白さ(新しさ)と正確さです。そのため、論文を書き始めた頃はどのように書けばいいのかよくわからず不安がありました。そんな時に指導してもらっている先生から、『最初から上手く書こうと思わずに、やったことを全部書いてみるといいよ』とアドバイスをもらい、本当に何でもいいからとりあえず書いてみることにしました。

書き終わった時の気持ちは?

正直に言って、私の文章表現はどの言語にしても上手いものではありません。論文を投稿するということは、論文がその分野の専門の先生方に査読されるということです。そのため、論文を書いている間は「ちゃんと書けているのか?」とずっと不安でした。ただ、先生や共著者のメンバーとアレコレ話しながら書き直していると、少しずつ形になってくるのが楽しくなってきました。最終的に論文が完成したときには、やれるだけのことはやった、これでダメなら仕方ないと思えるようになり、充実した気持ちになりました。

では論文がAcceptされた時の気持ちは?

論文がアクセプトされたときは言葉にできないほどうれしい気持ちでした。論文が掲載されると、報告した結果は文献の一つとして残り、自分がその文献の著者だと認められると、言葉では説明できない嬉しさがありました。この論文が他の研究者のために少しでも役に立つことを願いながら、次の論文を出せるようにこれからも頑張ろうと思いました。

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