織口 咲
  • 論文投稿までのウラ話01

A Supramolecular Approach to the Preparation of Nanographene Adlayers Using Water‐Soluble Molecular Capsules

今回の論文になった研究テーマに携わることになったきっかけ

一番のきっかけは熊本地震です。研究室配属後すぐに震災が起きて主要な実験機器類が被害を受け研究の継続が困難になる中で、東工大で受け入れていただけるというお話がありました。正直内容を詳しく聞く前に「これは経験を積むチャンスだ!」と思ってすぐ手を挙げたのですが、その選択が今回の研究テーマに繋がっています。

この研究で一番うれしかった事・感動した事。

難溶性ナノグラフェンの高配向な単分子膜を観察できたことです。これまでできなかったことを達成できた感動と、地震をきっかけに始まった共同研究が実を結んだ嬉しさ、そして安堵で胸がいっぱいでした。

一番大変だったポイント

分子を観察するための条件探索と装置の習熟に一番苦労しました。走査型トンネル顕微鏡(STM)を使って分子スケールの明瞭な像を得るには技術が必要で、一日かけて測定しても成果が得られないこともよくありました。そこで単に粘るだけでなく区切りを決めて多くの条件を試し、熟練の方の操作法や他の人が受けるアドバイスも取り入れて成功パターンを蓄積したことが成果に結びついたと感じています。

この研究テーマを通して学べたこと

一つのテーマを論文にするまでに、想像以上に多くの人に支えられていることを学びました。いつも親身にご指導してくださった先生方、先輩方。互いに切磋琢磨でき、良き相談相手である研究室の皆。特に本テーマでは震災の影響もあって多方面からご支援いただきました。書きつくせませんが、関わってくださった方ひとりひとりに心から感謝しています。

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