遺伝子・デリバリー研究会 第9回 夏期セミナー


遺伝子・デリバリー研究会第9回夏期セミナー報告書

 9月7日(月)〜8日、遺伝子・デリバリー研究会第9回夏期セミナーが福岡市志賀島にて開かれました。当初12月沖縄開催の予定が、急遽9月開催になったことで、例年より少なめの参加者(34名)となりました。しかし、こぢんまりとしながらも、楽しい会となりました。今回は招待講演として、(財)かずさDNA研究所の舛本 寛 先生に「ヒト人工染色体形成メカニズムの解明(ベクターとしての利用に向けて)」というタイトルで、クロマチンに関する基礎的な解説から、人工的に設計した核酸が他の染色体と同様に複製される詳細なメカニズムについてお話しいただき、こんなことまでできるようになったのか!と驚かされると同時に、この知識を遺伝子治療技術へ向け、どう発展させればいいとのか深く考えさせられるご講演でした。また、依頼講演として、本研究会の副会長でもあります国立循環器病センターの斯波真理子先生に、難病治療の現状と題しまして、脂質異常症の病態から治療法について幅広くお話しいただき、これまでの問題点と未来の治療技術への期待について討論しました。

 さらに、今回は参加者がテーマ毎にグループに分かれ、最新のトピックを調べ、まとめ、発表するという「ワークショップ」を行いました。私のただの思い付きで打ち上げたイベントでしたが、7日のグループ討論は尽きることなく、また、全体での発表においても、たくさんのトピックが紹介され、やや消化不良となりながらも、たくさんの刺激を受けることができました。特に各グループのリーダーには7日夜中そして8日朝にもとりまとめの作業をしていただき、このワークショップを支えていただきました。
 最後に、プログラムの時間の記載ミス、直前の座長依頼、そして、招待講演の舛本先生に自ら略歴の紹介をお願いする・・・等々、私の数々の失礼に深くお詫びすると共に、その私の至らない分、参加者の皆様全員が会を盛り上げていただき、すばらしい会になったと思います。本当に感謝申し上げます。また、皆様にお会いできることを楽しみにしております。

第9回夏期セミナー 世話人 九州大学 新留琢郎



 遺伝子・デリバリー研究会では、第9回夏期セミナーを下記の要領で開催いたします。海の見えるさわやかな会場で、心ゆくまで遺伝子・デリバリーを語り合いましょう。玄界灘のお魚たちもお持ち申し上げております。


日程:2009年9月7日(月)午後〜8日(火)夕方

場所:休暇村志賀島 (http://www.qkamura.or.jp/shikano/

〒811-0325 福岡県福岡市東区大字勝馬1803‐1
TEL: 092-603-6631

送迎バスを福岡空港から出す予定です。

定員 50名程度

参加費
  一般 10,000円 
  学生 6,000円
(参加費・懇親会費は無料です。)

支払方法
   当日、会場にて現金でお支払い下さい。

服装:夏の海辺ですので、カジュアルな服での参加を歓迎しております。


プログラム

9月7日(月)

12:20 福岡空港よりシャトルバス出発
12:30 受付開始
13:25 開 会 (九州大学 新留琢郎)
13:30〜13:50 一般発表1 高分子ミセル型ナノデバイスによる嚢胞性線維症に対する安全で効率的な遺伝子治療法の開発
○鈴木 朗1、宮田 完二郎2,位高 啓史2,西山 伸宏2,宮田 浩子1,井上 麻衣1,柴田 映子1,山口 知是1,石井 武彦2,片岡 一則2,3、斯波 真理子1
14:10〜14:30 〇安野 貴幸、東 大志、本山 敬一、上釜 兼人、平山 文俊、有馬 英俊
熊本大学大学院薬学教育部製剤設計学分野
14:30〜16:30 ワークショップ:遺伝子治療・デリバリーの最近の発展と未来への展望(グループディスカッション)
16:30〜17:15 招待講演 ヒト人工染色体形成メカニズムの解明(ベクターとしての利用に向けて)
舛本 寛 先生((財)かずさDNA研究所)
17:15〜19:00 自由討論・役員会
19:00〜21:00 夕食
21:00〜23:00 全体討論会
9月8日(火)
8:00〜9:00 朝 食
9:00〜9:20 ワークショップ1 新しい遺伝子キャリアー分子
○小暮 健太朗(京都薬科大学)、辰巳 泰我(筑波大学数理物質科学研究科)、丸山 厚(九州大学先導物質化学研究所)、土谷 享(九州大学工学研究院)、林田 佳代子(熊本大学薬学教育部)
9:20〜9:40 ワークショップ2 発現効率向上の試み
○斯波 真理子(国立循環器病センター)、岡田 弘晃(東京薬科大学)、内田 智士(東京大学医学系研究科)、森 由匡(熊本大学薬学教育部)、有馬 英俊(熊本大学医学薬学研究部)、徳永 修一 (九州大学先導物質化学研究所)
9:40〜10:00 ワークショップ3 オリゴ核酸デリバリー
○橘 洋一(国立循環器病センター)、山岡 哲二(国立循環器病センター)、和田 俊輔(国立循環器病センター)、王 健(大阪市立大学工学研究科)、奥田 竜也(九州大学先導物質化学研究所)、池田 晴菜(熊本大学薬学教育部)
10:00〜10:20 休憩
10:20〜10:40 ワークショップ4 細胞内外での遺伝子デリバリーのメカニズム解明
○樋口 ゆり子(京都大学薬学研究科)、長崎 健(大阪市立大学工学研究科)、飯田 誠之(九州大学工学研究院)、新堀 武士(九州大学工学研究院)、安野 貴幸(熊本大学薬学教育部)
10:40〜11:00 ワークショップ5 がん治療、ワクチン
○狩野 有宏(九州大学先導物質化学研究所)、小田 雄介(帝京大学薬学部)、運 敬太(京都大学薬学研究科)、森山 健司(九州大学先導物質化学研究所)、渡部 和人(九州大学大学院工学研究院)
11:00〜11:20 ワークショップ6 臨床試験へのアプローチ
○川上 茂(京都大学薬学研究科)、丸山 一雄(帝京大学薬学部)、山本 剛史(大阪大学薬学研究科)、鈴木 朗(国立循環器病センター)、新留 琢郎(九州大学工学研究院)、田中 洋行(九州大学工学研究院)
11:20〜12:00 ワークショップ総合討論
12:00〜13:00 昼食
13:30〜14:10 依頼講演 難病治療の現状
斯波真理子 (国立循環器病センター研究所) 
14:10〜14:30 休憩
14:30〜14:50 一般発表3 ラクトシル化デンドリマー/α-シクロデキストリン結合体の肝実質細胞選択的 in vivo 遺伝子導入用キャリアの開発と有用性評価
○森 由匡、山下 正悟、林 裕也、本山 敬一、平山 文俊、上釜 兼人、有馬 英俊
熊本大学大学院薬学教育部製剤設計学分野
14:50〜15:10 一般発表4 Anti-NF-κB siRNA 経皮投与によるアトピー性皮膚炎の治療
内田 珠愛、河合 美紗子、金沢 貴憲、高島 由季、〇岡田 弘晃
東京薬科大学薬学部製剤設計学教室
15:10〜15:30 自由討論
15:30 閉会、シャトルバス(志賀島出発)
16:30 シャトルバス(福岡空港到着)

特別企画遺伝子治療・デリバリーの最近の発展と未来への展望

今回のセミナーでは、5〜6名程度のグループに分かれ、特定のテーマについて議論し、それをその場で発表するという、全員参加型のワークショップを企画しました。下記の各テーマについて、グループディスカッションを行い、リーダーを含め数名で発表します。なお、この発表はプログラムに掲載され、皆さんの本夏期セミナーでの発表となります。

ワークショップ:遺伝子治療・デリバリーの最近の発展と未来への展望

1,新しい遺伝子キャリアー分子
2,発現効率向上の試み
3,オリゴ核酸デリバリー
4,細胞内外での遺伝子デリバリーのメカニズム解明
5,がん治療、ワクチン
6,臨床試験へのアプローチ

以下、その流れ。

事前準備

・セミナー参加登録時にテーマの希望を募り、グループ分けする。
 (希望者に偏りがありましたので、新留が勝手に調整いたしました。何卒ご容赦下さい。)

・各テーマについてリーダーを決める。
 (新留から指名させていただきました。)

・メンバーはそれに関する論文・特許などの情報を集める(自らの論文も可)。

・このときプレゼン資料は準備しない
 (事前準備にあまり時間をかけないようにする。ただし、図のファイルなどはメモリースティック等にコピーしておく必要あり。)

・メンバー全員を発表者とし、本セミナーのプログラムに掲載する。

セミナー期間中

・初日午後:メンバーで集まり、各自持参した資料について、何が新しい、どこがおもしろいといった議論を交わす。会場ではネットは使えないため、事前に準備した資料を元に議論する。その場でノートパソコン(メンバーの誰かのもの)にてプレゼン資料を作成するここまで2時間程度)。

・2日目午前:発表する(15分発表+5分質疑を想定)。ホワイトボードも使用可能。最近の注目論文について簡単に紹介し、今後、どのような方向へ向かっていくのかについて発表し、議論する。

注意点
 当日会場ではインターネットは利用できません(携帯電話の電波は届くようです)。当日のPubMedなどのデータベースあるいは電子ジャーナルの利用はできません。

 


お申し込み:

申込は締切ました。


問合せ先

2009年度遺伝子・デリバリー研究会夏期セミナー オーガナイザー

〒819-0395 福岡市西区元岡744
九州大学大学院工学研究院 新留琢郎 
summer2009☆gene-delivery.org (☆は@です)