2001夏期セミナー報告

 おかげさまで本年度の夏期セミナーは、8月6日ー8日、リゾートホテル ラフォーレ那須において無事行われました。参加者は26名(内発表者は16名)でした。あいにくの雨で、素晴らしいはずの山間の景色を楽しむことは出来ませんでしたが、学会等で話すことの出来ない実験上の苦心、疑問等について細部にわたり具体的に自由に話し合い、中身の濃いセミナーを行うことが出来たものと思います。

 ものすごく熱のこもった討論で、私の運営もまずかったためにガンガンに時間がずれこみ、エクスカーションの時間がかなり削られてしまいました(申し訳有りませんでした)。特にエンドソームに入った後の

DNA、ベクターの挙動には皆大変興味を持っておられるようで、エンドレスな議論が何度も持ち上がりました。そして最終日の正午には、皆様、「頭がくらくらする?」、「脳みそがウニになった?」、とうれしそうな悲鳴を上げながら名残惜しそうに、そしてホッとしたように帰って行かれました。

 夜は懇親会が遅くまで続き、若手研究会のような雰囲気を満喫して頂いたものと思います。皆様お疲れさまでした。そして、どうも有り難うございました。

 また、会場の予約、相次ぐ人数変更ですっかりお世話になりました佐藤智典先生、受付、部屋割り、お金の計算で3日間大変忙しい思いをされた川上 茂先生、長崎 健先生、本当に有り難うございました。

 

 最後に参加頂いた方のお名前、研究発表のタイトルをご紹介させて頂きます。

 

発表された方(敬称略・発表順)

・位高啓史 東大院・工、東大医整形外科

  蛍光二重標識を用いたベクター内DNAコンパクションの観察

・武田 泰隆 東大・医科研 

  Fas/FasL システムを介した癌遺伝子治療の基礎的研究

・松澤有希子 豊橋技大・エコロジー工

  水酸化アルミニウムとDNAの相互作用と遺伝子導入

・瀧真清 東大院・工

  HIGHLY SENSITIVE FLUORESCENT NONNATURAL AMINO ACIDS THAT CAN BE

  INCORPORATED INTO SPECIFIC POSITIONS OF STREPTAVIDIN 

・山岡哲二 京都工繊大・繊維

  遺伝子導入ポリカチオンの化学構造と遺伝子導入効率

・佐藤智典 慶應義塾大・理工

  プラスミド・キトサン複合体の発現機構の解析

・小山義之 大妻女大・家政

  カルボキシル側鎖を持つPEG誘導体の遺伝子発現効率向上効果

・柳衛宏宣 帝京大・市原病院外科

  JTS-1 fusogenic peptideを用いた遺伝子導入の増強効果

・河野健司 大阪府大院・工

  pH感受性膜融合リポソーム-リポプレックス複合体による遺伝子導入

・丸山一雄 帝京大・薬

  ステルスイムノリポソームによる遺伝子デリバリーシステム構築の試行錯誤

・川上茂 長崎大・薬

  糖修飾カチオン性リポソームを用いたプラスミドDNAの細胞選択的ターゲティング

・長崎健 大阪市大院・工

  遺伝子リリースの光制御は遺伝子治療に有効な方法となるでしょうか?

・横山昌幸 東京女子医大・先端生命医科学研

  温度応答性遺伝子キャリヤーによる遺伝子発現効率の増進と制御

・櫻井和朗 科学振興事業団 さきがけ21

  多糖シゾフィラン・核酸複合体の性質と遺伝子キャリヤーとしての応用可能性

・斯波真理子 国立循環器病センター

  カチオニックポリマーを用いた気管内投与による遺伝子導入の試み

・須山英悟 東大院・工

  がん転移に関与するジーンディスカバリー

 

その他発表されなかった方(敬称略・50音順)

秋山 好嗣 東京大学大学院 工学系研究科

浦上 貞治  三菱ガス化学(株)生物化学部

大西 徳幸  チッソ(株)横浜研究所

小岩井 一倫 テルモ(株)研究開発センター

多比良 和誠 東京大学大学院 工学系研究科

高見澤 格  国立循環器病センター研究所 内科

富澤 一夫  蓮見国際研究財団 産業技術総合研究所ジーンディスカバリーセンター

古川 裕考  チッソ(株)横浜研究所

山下 昇  山之内製薬創剤研究所 DDS研究室

                               

運営委員長 小山義之

追記 なお、二日目午後、来年度のシンポジウム第一回運営委員会を開きました。みなさんで話し合った結果、来年のシンポジウムは、5月の10日か17日に関西で行うことになりました。来年度もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

セミナー風景

(勉強会1)  (勉強会2)


 
(集合写真)