遺伝子・デリバリー研究会 第7回シンポジウム 報告

帝京大学薬学部 丸山一雄(運営委員長)

 遺伝子・デリバリー研究会は、2007年5月18日に東大鉄門講堂において第7回シンポジウムを開催いたしました。160名あまりの参加者を集め、盛会に無事終了致しました。参加者の方々、支援して頂いた皆様には厚く御礼申し上げます。また、協賛を頂いた企業には深く感謝申し上げます。

 本研究会は、遺伝子治療に必要な、遺伝子およびそのデリバリーシステムを研究・開発することを目的として2000年11月に発足し、年1回のシンポジウムを開催してきました。今回は、前回の九州でのシンポジウムに引き続き、「遺伝子治療の現状と問題点・可能性」をテーマとし、現在ご活躍中の二人の先生をお招きしました。金田安史先生(大阪大学大学院医学系研究科遺伝子治療学)には「HVJ envelope vectorを用いた癌治療戦略」を、米満吉和先生(千葉大学大学院医学研究院遺伝子治療学)には「バイオ・プラットフォーム技術としての組換えセンダイウイルスベクター」を講演して頂きました。いずれのベクターも、日本においては最も臨床に近いものであり、具体性に富む内容でした。臨床治験がもうすぐ始まるということで、大いに期待したいところです。非ウイルスベクターを主体とする参加者には、臨床実験はまだまだ先の話になりますが、明確な目標が定まったことと思います。特に、米満先生からは、具体的な数値目標として10倍から100倍またはそれ以上の効率の向上を目指すことと、vivoの研究をもっと多く取り入れるよう助言されました。若い研究者には強烈な印象と大きな励みになったことと思います。

 シンポジウムはポスターセッションを主体にし、昼食時間を含めて約3時間のポスター発表時間を設けました。発表もディスカッションも十分に出来たものと思います。例年にもましてエントリーが多く(55ポスター)、大変な盛り上がりを見せました。二部制の発表形式にもかかわらず、途中交替も非常にスムーズでした。参加者のご協力には感謝致します。口頭発表はポスターから選びましたが、希望者が多かったため、8分発表4分質疑で行いました。発表者の事前準備が完璧に近く、質問が多かった割には、大きな時間の遅れもなく進行しました。また、座長を務められた先生方には、円滑な進行に感謝致します。

 奨励賞の審査は、山岡哲二(国立循環セ)審査委員長のほか23人の審査員で行いました。今回は大接戦で、例年2名のところ3名になりました。受賞者は、坂口奈央樹君(大阪府大院工)、衛藤佑介君(大阪大院薬)、伊東恵理佳さん(北大院薬)で、研究会名物プラスミドトロフィーを贈呈しました。おめでとうございました。また、準奨励賞として10名の方に、遺伝子・デリバリー研究会会員で書き上げた、「Non-viral Gene Therapy」を贈呈しました。既に受賞者には郵送されていることと思います。残念ながら、僅差で受賞から漏れたポスター発表が多数あったことを付記しておきます。

 一日の開催日程のため、途中での休憩がなく一気に駆け抜けたシンポジウムでしたが、盛会の内に開催できましたことは、参加者の意識の高さと絶大なるご理解のお陰だと思っています。熱いディスカッションを展開していただいた皆様に感謝致します。

 今開催より日本遺伝子治療学会との交流を深め、相互に協力し合うことになり、3名の日本遺伝子治療学会所属の会員が参加されました。今後の益々の参加を期待したいところです。

 来年は関西方面で長崎健先生(大阪市立大学)が運営委員長として開催されます。皆様とまた熱いディスカッションができることを楽しみにしております。


謝 辞

 シンポジウム運営委員の先生方を始め、準備と当日の運営に実働してくれた帝京大学薬学部生物薬剤学教の教員(宇都口直樹准教授、鈴木亮助教、小田早苗秘書)、大学院生(澤口能一君、上野修平君、小田雄介君、生井栄介君、塩野康行君、嶋岡卓人君、山下琢矢君)の諸氏諸君並びに東大院工 片岡研究室秘書、小山宏子さん、ご協力頂いたすべての方に感謝いたします。また、ご援助いただきました下記の企業の方々にも御礼申し上げます。

協賛・寄付(50音順):

アステラス製薬株式会社
住商ファーマインターナショナル株式会社
三菱ウェルファーマ株式会社
株式会社メディネット

広告掲載企業(50音順):

株式会社池田理化
尾崎理化株式会社
株式会社 コトウ科学
日本油脂株式会社
(株)高田薬局
(有)三栄ラップ
ライカマイクロシステムズ株式会社

出展企業:ネッパジーン株式会社

ランチョン:日本油脂株式会社


遺伝子・デリバリー研究会第7回シンポジウム 奨励賞選考結果

国立循環器病センター研究所生体工学部 部長 山岡哲二 (審査委員長)

奨励賞 プラスミドトロフィー+ Non-viral Gene Therapy (Springer) 3名

坂口奈央樹 大阪府立大学大学院工学研究科 
衛藤佑介  大阪大学・薬学研究科
伊東恵理佳 北海道大学大学院薬学研究院

準奨励賞  Non-viral Gene Therapy (Springer) 10名

小田雄介  帝京大学薬学部 生物薬剤学教室
近藤洋子  慶應義塾大学理工学部生命情報学科
片桐幸子  帝京大学薬学部 病態生化学教室
岡真千子  京都大学大学院・薬学研究科
大久保佑亮 埼玉大学大学院 理工学研究科
角田由佳  東京薬科大学 薬学部 薬物送達学教室
松尾圭祐  大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野
山野 剛  九州大学先導物質化学研究所
松下小q里 静岡県立大学大学院薬学研究科
大平望都  国立循環器病センター研究所 バイオサイエンス部


ポスターセッション&ランチタイム




遺伝子・デリバリー研究会 第7回 シンポジウム

 遺伝子・デリバリー研究会第7回シンポジウムを下記の要領で開催します。「遺伝子治療の現状と問題点・可能性」の立場から現在ご活躍中の二人の先生をお招きしご講演していただきます。また、今開催より日本遺伝子治療学会との交流を深め、相互に協力し合うことになりました。日本遺伝子治療学会所属の会員のからの多数の参加をお待ちしております。今回は、若手研究者(35歳以下を想定しています)の口頭発表を主体にプログラムを組み活発な議論をして欲しいと思います。また、30歳未満(2007年4月1日現在)の大学院生・ポスドク他の発表には奨励賞の選考もありますので、多数参加して下さい。

日時:2007年5月18日(金) 9:30より

場所:東京大学鉄門記念講堂(東京大学医学系研究科教育研究棟14階)
   地下鉄:丸の内線、大江戸線「本郷三丁目」駅から徒歩5分
   地図・交通案内:次のウエブサイトをご参照下さい
   http://www.m.u-tokyo.ac.jp/information/map/map_hongoarea.html

招待講演者

米満 吉和 先生 (千葉大学大学院医学研究院 遺伝子治療学)
「バイオ・プラットフォーム技術としての組換えセンダイウイルスベクター」

金田 安史 先生 (大阪大学大学院医学系研究科 遺伝子治療学)
「HVJ envelope vectorを用いた癌治療戦略」


ここ
からシンポジウムポスターのPDF(207kB)がダウンロードできます。


プログラム

こちらのPDFファイルをご覧ください。


申込期限: メールで申し込む 

      メールアドレス:entry2007@gene-delivery.org

演題申込 締切 3月24日(土) 
要旨締切 締切 4月21日(土) 
参加登録 締切 4月21日(土)


演題募集:口頭発表 または ポスター発表

 35歳以下の若手研究者は出来る限り口頭発表としますが、ポスター発表も受け付けます。口頭発表・ポスター発表の振り分けは、実行委員会で決定し、演者に連絡いたします。一般はポスター発表を原則とします。


奨励賞

 30歳未満(2007年4月1日現在)の大学院生・ポスドクの発表から奨励賞を2名選出して表彰し、写真のプラスミド形トロフィーを授与します。奨励賞は、ポスター発表の審査から選出しますので、該当の口頭発表者はポスターの発表もお願いします。

プラスミド形トロフィー

演題申込メール

 口頭発表、ポスター発表、一般ポスター発表、奨励賞応募等の必要事項(演題申込メール見本を参照)を記入の上、3月24日(土)までに、演題申込メールとしてentry2007@gene-delivery.org にお送り下さい。

 演題申込メール見本 次の内容をメールで送付して下さい

発表区分:若手口頭発表・若手ポスター・一般ポスター(いずれかを選択)
演題:
氏名:
職名:
所属:
連絡先:
電子メール:
奨励賞エントリー有無:
(30歳未満(2007年4月1日現在)の大学院生・ポスドクの方はエントリーして下さい)

 
発表区分:若手口頭発表
演題:超音波エコーガス封入リポソーム(バブルリポソーム)の核酸治療への応用をめざして
氏名:○丸山一雄1、鈴木 亮1、根岸洋一2
職名:助手
所属:1帝京大学・薬学部、2東京薬科大学・薬学部
連絡先:〒199-0195 神奈川県相模原市・・・・・
電子メール:maruyama@pharm.teikyo-u.ac.jp
奨励賞エントリー:しない

 演題申込者は、4月21日(土)までに要旨を送付して下さい。


要旨の作成と送付

 演題申込者は、要旨を要旨作成見本にしたがってA4用紙1ページに作成して、PDFファイルにして下さい。4月21日(土)までに、メールで、要旨のPDFを添付書類としてお送り下さい。5MB以下となるようお願いします。要旨作成見本は下記からダウンロードしてご参照下さい。

要旨作成見本 ワードファイル(abstract.doc)
要旨作成見本 PDFファイル(abstract.pdf)

 要旨送付先: entry2007@gene-delivery.org 


発表方法

 本シンポジウムは、若手口頭発表を中心にプログラムを組みます。発表8分と質疑4分を厳守していただくようお願いします。パワーポイントでの発表をお願いします。また、若手口頭発表者で奨励賞に応募の場合は、ポスター発表も行ってください。奨励賞は、ポスター発表を審査してから選出します。一般発表は、ポスター発表に限らせていただきます。

 ポスターの大きさ等の作成・体裁に関しては、こちらのPDFファイルをご覧ください。


参加申込

 参加申込は4月21日(土)までに、必要事項を記入した参加申込のメールentry2007@gene-delivery.org に送信し、参加費を郵便振込してください。

 参加申込メール見本 次の内容をメールで送付して下さい

氏名:
会員(正・学生)・賛助会員・非会員:
所属:
連絡先:〒
電子メール:
懇親会(参加):
振込金額(参加費(+懇親会費)):
伝言事項:何か連絡事項がありましたら記入してください。

   『会員の場合』

氏名:  丸山一雄
会員(正・学生)・賛助会員・非会員別: 正会員
所属: 帝京大学・薬学部
連絡先: 〒199-0195 神奈川県相模原市・・・・・
電子メール: maruyama@pharm.teikyo-u.ac.jp
懇親会(参加する・参加しない): 参加する
振込金額(参加費(+懇親会費)): 懇親会5000円

 注意

複数で参加申込される場合は、この内容を全員分用意して、振込金額の内訳等判るようにして下さい。振込用紙にも内訳の記入をお願いします。

賛助会員である法人、会社、団体のメンバーの場合は、一口につき2名まで無料になりますので、その旨をメールに記してください。

 事前登録をもってランチボックスの用意をさせていただきますので、事前登録へのご協力をよろしくお願いいたします。参加費は事前に郵便振り込みでお願いいたします。振込用紙の備考欄にその内訳(参加費、懇親会費、また、複数人の場合はそのリスト)をご記入願います。


参加費振込先: (本研究会会員の年会費の振込先とは異なりますので、ご注意下さい)

郵便振込口座 :00250−3ー80558
口座名称
:遺伝子・デリバリー研究会 

       (振込手数料は申し訳ありませんがご負担下さい)


参加費

正会員・学生会員  無料

日本遺伝子治療学会所属の会員  5,000円

賛助会員である法人、会社、団体  一口につき2名まで無料

非会員一般 6,000円 「事前登録(4月21日(土)まで)当日登録 8,000円」

非会員学生 1,000円 「事前登録(4月21日(土)まで)当日登録 2,000円」

  *事前登録者には、ランチBOXが支給されます。


懇親会場:Capo PELLICANO(カポ・ペリカーノ) (東京大学医学部研究棟13階)

懇親会費:会員・非会員   一般 5,000円

              学生 2,000円


会員受付について

 当日入会受け付けます。年会費は正会員5,000円、学生会員無料です。ご希望の方は遺伝子・デリバリー研究会ホームページ入会案内をご参照ください。(まず、入会して頂き、参加登録されるとお得です。)

 入会して頂くと、参加費が無料になり1年間研究会より種々の情報がメールで配信されます。


事務局・問い合わせ先:

連絡先: 〒199−0195
神奈川県相模原市相模湖町寸沢嵐1091
帝京大学 薬学部 生物薬剤学教室
遺伝子・デリバリー研究会第7回シンポジウム実行委員長

丸山一雄
maruyama@pharm.teikyo-u.ac.jp

電話:042-685-3722(直通)-3723(研究室1)-3724(研究室2)
FAX:042-685-3432  


シンポジウム運営実行委員:

実行委員長
  丸山一雄 (帝京大学)

委員
 佐藤智典(慶応大学)
 小山義之(大妻女子大学)
 小暮健太朗(北海道大学)
 斯波真理子(国立循環器病センター)
 長崎 健(大阪市立大学)
 山岡哲二(国立循環器病センター)
 新留琢郎(九州大学)
 河野健司(大阪府立大学)
 川上 茂(京都大学)

(補佐)
 宇都口直樹(帝京大学)・鈴木亮(帝京大学)・滝澤知子(帝京大学)