北海道大学大学院薬学研究院 原島 秀吉(運営委員長)
第10回シンポジウムは平成22年6月2日(水)〜3日(木)に、北海道大学学術交流会館にて開催されました。今回のシンポジウムは本研究会が設立してから10年目という記念すべき節目であり、「革新的創薬を目指して」というテーマを設定し、第3代会長に就任された丸山一雄先生による会長講演、2件の特別講演、ランチョンセミナー、16件の依頼講演、57件のポスター発表が行われました。 会長講演では、丸山一雄先生(帝京大薬)に「Ultrasound − Bubble Liposomes Technique for Gene Delivery System」という演題のもと、最先端の研究に関する内容を御講演いただきました。
特別講演では、片岡一則先生(東京大院工学系/医学系研究科)に「遺伝子治療実用化に向けた超分子ナノデバイスの創製」という演題の下、実用化に向けたチャレンジングな研究内容を御講演いただきました。講演終了後、これまで第2代会長として研究会の発展に貢献して頂いた功績をたたえ、功績賞と記念品(iPad)の贈呈を行いました。そしてIck Chan Kwon先生(Biomedical Research Center, KIST)には「In vivo imaging as a key technology for siRNA delivery」という演題のもと、imaging技術を駆使した興味深い研究に関するお話を御講演頂きました。
ランチョンセミナーでは免疫分野で御活躍されている石井健先生(医薬基盤研究所)に「自然免疫による核酸認識機構とその生理的意義」という演題で大変興味深いお話を御講演いただきました。依頼講演では「機能性核酸」、「センシング」、「免疫」の3つのテーマに分けて、「機能性核酸」では松田彰先生(北大院薬)、岡本晃充先生(理化学研究所、JSTさきがけ)、紙谷浩之先生(北大院薬)、谷口陽祐先生(九大院薬)、山吉麻子先生(京都工芸繊維大院)の5名の先生方に、「センシング」では永井健治先生(北大電子研)、金城政孝先生(北大院生命)、小畠英理先生(東工大院生命)、藤田聡史先生(産総研)、中瀬生彦先生(京大化研)、秋田英万先生(北大院薬)の6名の先生方に、「免疫」では高岡晃教先生(北大遺制研)、石田竜弘先生(徳大院ヘルスバイオサイエンス)、竹田津英稔先生(久留米大医)、畠山浩人先生(北大院薬)の4名の先生方に、とても興味深い最先端の研究に関して講演して頂きました。 懇親会は初日の夜にサッポロビール園で大盛況に行われ、北海道を代表するジンギスカンと生ビールを飲みながら相互の交流を深めることができました。
ポスター討論は1日目、2日目に分けて行いました。今年度の審査委員長である新留啄郎先生(九大院工)と12名の審査委員により、恒例の奨励賞(准奨励賞)の審査を行いました。今年度は遺伝子デリバリー研究会創立第10回目のシンポジウムということで、特別に優秀ポスター賞も設けました。奨励賞(准奨励賞)は研究内容(新規性、チャレンジ性、影響力)、説明やディスカッションの能力、研究者としての将来性を、優秀ポスター賞は発表の分かりやすさ、ポスターのデザイン、注目度、発表の熱意について審査いたしました。どのポスターも素晴らしい内容で、また対象を35歳以下と広くしたためか、甲乙つけがたい接戦となりましたが、以下の10名に授与することにいたしました。今後の活躍を期待しています。
奨励賞(2名) 望月慎一(北九州市立大学 国際環境工学部)多糖を利用した抗原提示細胞特異的な核酸送達システムの開発 濱進(京都薬科大学)腫瘍の低pH環境に応答して細胞親和性が向上する薬物キャリアーの開発 准奨励賞(3名) 樋口ゆり子(京都大学大学院 薬学研究科)キトサンによる遺伝子導入効率改善を目的としたヒスチジン修飾法の最適化 中西秀之(京都大学大学院 薬学研究科)長期発現に向けたpiggyBacトランスポゾン導入ベクター設計の最適化 戸井田さやか(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所)機能化サイクロアミロースによる遺伝子デリバリー 優秀ポスター賞(5名) 塩山桃子(東京大学大学院 工学系研究科)三次元培養した初代肝細胞に対する遺伝子導入法の開発 鵜川真実(北海道大学大学院 薬学研究院)多機能性エンベロープ型ナノ構造体のMPCポリマー修飾による肝実質細胞における遺伝子発現活性上昇のメカニズムの解明 田丸みな(北海道大学大学院 薬学研究院)レプチン由来ペプチド修飾リポソームのマウス脳血管内皮由来細胞における細胞内挙動の観察及び取り込み評価 燉ヌ和宏(北海道大学大学院 薬学研究院)オリゴアルギニンと標的リガンドを組み合わせた腫瘍血管内皮へのドラックデリバリー 安崎友香理(北海道大学大学院 薬学研究院)生細胞ミトコンドリアDNAセンシング技術の開発
今回は、143名もの多くの方に参加いただき、盛会のうちに終了することができましたことを深く感謝申し上げます。また、役員の先生方、運営委員の先生方、当日手伝って頂いた学生、協賛企業の方々、そして事務局を務めて下さいました幡三香子さんの多大なるご協力にこの場を借りて感謝申し上げます。 来年は丸山一雄先生を運営委員長として東京で第11回シンポジウムが開催されます。皆様、奮ってご参加ください。
日時:2010年6月2日(水)〜3日(木)
場所:北海道大学 学術交流会館(〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目)
http://www.hokudai.ac.jp/bureau/map/map4.htm
JR札幌駅北出口から徒歩7分(北大正門を入ってすぐ左手の建物)
特別講演者:
片岡 一則 先生(東京大学)、Ick Chan Kwon 先生(KIST)他
シンポジウム:
1. 機能性核酸研究の展開
2. 先端的センシング技術とデリバリー研究の融合を目指して
3. 遺伝子デリバリーシステムと免疫応答
こちらからシンポジウムポスターがダウンロードできます。
プログラム概要:
詳細プログラムはこちら!!
一日目(6月2日(水))
12:50 開会の辞
13:00〜13:40 会長講演(丸山一雄 先生)
13:40〜15:50 シンポジウム1(機能性核酸)
16:00〜17:00 ポスター討論1 & Coffee Break
17:00〜18:00 特別講演(片岡一則 先生)
18:30〜 懇親会(サッポロビール園)二日目(6月3日(木))
09:30〜12:00 シンポジウム2(イメージング)
12:00〜13:00 ランチョンセミナー
13:00〜14:00 特別講演(Ick Chan Kwon先生)
14:00〜15:00 ポスター討論2 & Coffee Break
15:00〜16:40 シンポジウム3(免疫)
16:40 最優秀プレゼンテーション賞受賞式
17:00 閉会の辞
本シンポジウムへの事前参加登録、懇親会参加申込および宿泊・航空券の手配を(株)近畿日本ツーリスト北海道社にて行っていただくことになりました。詳細は、近畿日本ツーリスト北海道社の本シンポジウム専用サイトをご覧いただき、お早めにお申込み下さい。
事前参加登録・懇親会参加申込・宿泊・航空券案内サイトへ
(近畿日本ツーリストhttp://www.knt.co.jp/ec/2010/gene-delivery/)事前登録・懇親会申込 締切:2010年5月14日(金)(締切が延長されました!!)
正会員:5,000円 (当日受付の場合、7,000円)
非会員:10,000円 (当日受付の場合、12,000円)
学 生:無料(受付にて学生証の提示をお願いします)
懇親会費:
正会員、非会員:5,000円
学 生:3,000円事前参加登録費および懇親会参加費等は、銀行振込にてお支払いいただきます。当日受付も可能ですが、懇親会へのご参加は会場の都合上、当日のお申込をご遠慮頂く場合があります。詳細は、上記案内サイトをご覧の上、事前申込にご協力いただきますようお願い申し上げます。
懇親会場:サッポロビール園(http://www.sapporo-bier-garten.jp/)
一日目のプログラム終了後、シンポジウム会場から送迎バスにて懇親会場まで移動します。
口頭発表とポスター発表を募集する予定でしたが、プログラムの都合上、ポスター発表のみの受付となりました。
但し、ご応募頂いたポスター演題の中から一部をピックアップし、口頭での発表も併せてお願いする場合があります。演題のピックアップに関しましては当シンポジウム運営委員会にご一任頂きますが、演者の先生には予め各シンポジウムのオーガナイザーから確認のメールが届きますので、別途ご相談頂きますよう宜しくお願い致します。下記の必要事項をメール本文にご記入いただき、要旨を添付の上、下記アドレスまでお申し込み下さい。
申込専用アドレス:entry2010☆gene-delivery.org (☆は@です)
演題申込 締切:2010年4月9日(金)非常に多数の演題申し込みをいただき、ありがとうございました。一般演題の受付は終了しました。
演題申込必要事項 次の内容をメールにて送信下さい
演題:
発表者名:
職名:
所属:
連絡先:
E-mail:演題申込 記入例
演題:遺伝子・デリバリー研究会10周年記念シンポジウム
発表者名:○北大太郎1、北大花子2
職名:助教
所属:1北海道大学薬学部、2北海道大学大学院生命科学院
連絡先:〒000-0000 北海道札幌市北区北0条西1丁目、Tel&Fax:011-123-4567
E-mail:gene@pharm.hokudai.ac.jp
要旨の作成と送付:
演題申込に際して、演題要旨(A4用紙1枚)を作成、ご送付ください。
要旨の作成に際しては、下記のテンプレートをご使用の上、文字化け防止のためPDFファイルに変換して下さい。なお、演題申込メールにはWordファイルとPDFファイルの両方を添付し、上記申込専用アドレスまでお送り下さい。
事務局・問い合わせ先:
〒060-0812 札幌市北区北12条西6丁目
北海道大学薬学部薬剤分子設計学研究室
遺伝子・デリバリー研究会10周年記念シンポジウム実行委員長 原島 秀吉
事務局:幡 三香子
電話:011-706-3919
FAX:011-706-4879
e-mail: yakusetu☆pharm.hokudai.ac.jp(☆は@です)