帝京大学薬学部 丸山一雄
アンチセンス・遺伝子・デリバリーシンポジウム2011は平成23年9月1日(木)〜2日(金)に、大阪大学コンベンションセンターで開催されました。今回のシンポジウムは、第21回アンチセンスシンポジウムおよび第11回遺伝子・デリバリー研究会シンポジウムの合同シンポジウムで、アンチセンスDNA/RNA研究会と遺伝子・デリバリー研究会の研究を補完し、会員の交流を図る記念すべき開催でした。参加者総数は287名で、総演題数は115を数え、協賛2社、展示13社、広告19社の企業からご協力を得て、盛会のうちに終了することが出来ました。最終日の午後は台風接近で慌ただしくなったのが少し残念でした。
今回のシンポジウムの大きな特徴は、講演会場を1つにして、相互の講演を直に聴講するシステムでした。アンチセンスDNA/RNA研究会から村上章先生(京工繊大院・工芸科学)が「核酸医薬品の分子設計とRNAイメージング」、遺伝子・デリバリー研究会から片岡一則先生(東大院・工)が「超分子ナノデバイスによる遺伝子・siRNAデリバリー」で特別講演を行いました。また、小山義之先生(大妻女子大)、小泉誠先生(第一三共株式会社)、新津洋司郎先生(札幌医科大)、赤尾幸博先生(岐阜大院・連合創薬医療情報)、根岸洋一先生(東京薬大・薬)、落谷孝広先生(国立がん研究セ研)の6名の依頼講演では最先端の研究を紹介して頂きました。さらに、21題の一般口演、86題のポスター発表が行われました。アンチセンスDNA/RNA研究会側はデリバリー技術の進歩と発展に、遺伝子・デリバリー研究会側は、デリバリーする核酸やsiRNAの新規デザインに、相互に興味を持つことができました。合同シンポジウムを通じて、共同研究や共同開発が模索され展開するきっかけになることを期待しています。
初日の懇親会前に、植村理葉さんによるバイオリンコンサートが開催されました。阪大のコンベンションセンターのステージは、本格的なコンサートホールの設計になっており、(皆さんは気づかれているかどうか、実は、コンサート時には、会場内の両サイドの壁の一部が反転して反射板が設置されていました)素晴らしい演奏を堪能しました。日頃研究に明け暮れている者にとって、一服の清涼剤でした。リフレッシュできました。植村さんがベルリンから駆けつけて下さったことを知って感激しました。深く感謝申し上げます。
懇親会は、銀杏会館のミネルバで行われ、大盛況で相互の交流を深めることが出来ました。予想以上の参加希望者があり、当日参加をお断りした方々にはご迷惑をおかけしました。
奨励賞は、67人という多数のエントリーがあり、川上茂先生(京都大学薬学部)に審査委員長をお願いし、他多数の審査員で厳正に審査しました。その結果、以下の5名が受賞されました。副賞として、賞金とプラスミド型トロフィーが授与されました。特に、賞金に関しましては、川原様のご厚志に厚く感謝申し上げます。受賞者の今後の益々の活躍を祈ってやみません。
小林昇平(情報通信研・未来ICT研)
生細胞導入ビーズを用いた外来DNA認識機構の解析
和田俊輔(国立循環器病研究セ研)
化学修飾型siRNAがin vivoにおいて及ぼす影響
大木時光(岐阜大院・工)
糖部開環型三環性ヌクレオシドアナログを利用した新規一塩基多型検出法の開発
島岡恵里(阪大院・薬)
アデノウイルスベクターによるオートファジー誘導とオートファジーが遺伝子発現
に及ぼす影響に関する検討
土谷 享(九大院・工)
コレステロール修飾によるキナーゼ応答性ポリマー/DNA複合体の安定化
(*敬称略)
合同シンポジウムの開催に関して、今回は遺伝子・デリバリー研究会が主導し丸山一雄(世話人代表、帝京大、遺伝子・デリバリー研究会会長)、佐々木茂貴(九大、アンチセンスDNA/RNA研究会代表)、中川晋作(大阪大学)が世話人として大会を運営しました。事前準備、当日、事後の運営を完璧にこなしてくれた、帝京大学薬学部生物薬剤学教室の職員、宇都口直樹教授、鈴木亮講師、野村鉄也助教、小田雄介助手、平田圭一研究員、小田早苗秘書に深謝いたします。今回は、会場が変更になった関係で事前準備が大変でした。特に、会場変更とスムーズな運営は、中川先生のご配慮によるものでした。ここに感謝申し上げます。また、大阪大学大学院薬学研究科の院生には当日の運営を最大限にお手伝い頂き、感謝申し上げます。
次回も合同開催として、平成24年9月24-26日、永次史(東北大)先生を世話人として仙台で開催されます。両研究会の会員の皆様、奮ってご参加下さいますよう宜しくお願い致します。
その他、写真集
What's New:
プログラム・演題一覧の最終バージョンを掲載しました。(8/23)
一般口演・ポスター発表の所属や発表タイトルのいくつかを修正いたしました。(8/16)
座長の変更がありました。再度プログラムをご確認下さい。(8/12)
一般口頭・ポスター作成要領を追加しました。(8/7)
日時:2011年9月1日(木)〜2日(金)
本会は第21回アンチセンスシンポジウムおよび第11回遺伝子・デリバリー研究会シンポジウムの合同シンポジウムです。
場所:大阪大学コンベンションセンター(〒565-0871 吹田市山田丘1-1)
http://55099zzwd.coop.osaka-u.ac.jp/convention/
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/suita.html
大阪大学コンベンションセンターへは千里中央発「阪大本部前行」のバスが便利です。
会場までの案内図はこちら
大阪大学提供のアクセスマップ http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/accessmap.html
世話人
佐々木茂貴(九州大学)
丸山 一雄(帝京大学)
中川 晋作(大阪大学)
主催
アンチセンスDNA/RNA研究会
遺伝子・デリバリー研究会
共催
大阪大学大学院薬学研究科
大阪大学臨床医工学融合研究教育センター
特別講演:
村上 章 (京都工芸繊維大学)
核酸ドラッグの分子設計とRNA イメージング
片岡 一則 (東京大学)
超分子ナノデバイスによる遺伝子・siRNA デリバリー
依頼講演:
落谷 孝広(国立がん研究センター研究所)
エクソソームによる細胞間microRNAデリバリー
赤尾 幸博(岐阜大学)
がんにおけるマイクロRNAの発現異常と治療への応用
小泉 誠(第一三共株式会社)
アンチセンス医薬とsiRNA医薬の現状と期待
新津 洋司郎(札幌医科大学)
VA coupled liposomeによるsiRNA HSP47の星細胞への特異的運搬とその線維組織融解効果
小山 義之(大妻女子大学)
癌遺伝子治療の新戦略:微生物タンパク遺伝子による免疫治療
根岸 洋一(東京薬科大学)
超音波応答性バブルリポソームの核酸・遺伝子デリバリーシステムへの応用展開ここからシンポジウムポスターのPDFがダウンロードできます。
参加費:
正会員: 3,000円
非会員一般: 5,000円
学生(会員・非会員):1,000円賛助会員である法人、会社、団体: 一口につき2名まで無料
懇親会費:一般 5,000円
学生 2,000円会場:大阪大学銀杏会館内 レストランミネルバ
演題登録:
7月31日をもって受付を終了いたしました。多数の登録、ありがとうございました。
プログラムはここからダウンロードしてください。なお、初日にはベルリン在住の植村理葉さんによるバイオリンコンサートもおこなわれます。ご期待ください。
ポスター作成要領とポスター番号は下記のリンクからダウンロードして下さい。ポスターは作成要領に従って作成して下さい。特に横幅は90cm以内厳守です。
ポスターは9月1日、8:30〜9:30までの間に、指定のボードに貼って下さい。押しピン、テープ等は事務局で用意します。
ポスター発表は、奇数番号が9月1日発表、偶数番号が9月2日発表になります。ご自分の番号と発表日の確認をお願いします。ポスターは全員、9月2日14:30まで貼っておいて下さい。
若手の発表者の中には、口頭とポスター発表の両方がありますが、奨励賞は、ポスター発表のみを審査して選出します。
参加登録:
事前参加登録は8月22日に締め切りました。事前登録済みで、まだ参加費/懇親会費を未納入の方は当日受付でお支払い下さい。
登録をお忘れの方はシンポジウム当日、会場で受け付けます。
非会員の方の参加も歓迎です。希望の方はシンポジウム当日、会場で受け付けます。
事務局・問い合わせ先:
〒252-5195 相模原市緑区寸沢嵐1091-1
帝京大学 薬学部 生物薬剤学教室
シンポジウム2011事務局
世話人代表 丸山一雄
TEL: 042-685-3722 (直) 3723(2研) 3724(3研)
FAX: 042-685-3432
e-mail: maruyama☆pharm.teikyo-u.ac.jp(☆は@に書き換えて下さい。)