超臨界水酸化を要素技術とする物質・エネルギー循環システムの構築熊本大学 後藤元信
超臨界水酸化は臨界点(374℃、22MPa)を超えた状態の水中での酸化反応であり、難分解性物質や廃棄物・排水のクローズド処理が可能であることから、各方面から注目されている。超臨界水酸化は有機物が原料中に数%以上含まれていれば、反応熱からエネルギーを回収することが可能となり、無機物は超臨界水に溶解しないため固体として回収できる。また、完全クローズドプロセスであり、100%完全に酸化分解するため排煙処理、2次排水処理などを必要としない特徴を有する。
本研究では超臨界水酸化を要素技術として廃棄物のクローズド処理による物質変換と反応熱の回収による物質/エネルギー変換による資源化・エネルギー化を組み込んだ都市・産業におけるゼロエミッションシステムの構築を検討することを目的とする。特に、エネルギーの回収および金属等(重金属、リン、アンモニア)の資源の回収に重点を置いたシステムの構築を図る。また、都市・産業界における物質・エネルギーの流れを検討し、現状と超臨界水酸化技術を組み込んだシステムとの相違点を検討する。