2002 夏期セミナー報告

国立循環器病センター研究所 斯波真理子(夏期セミナー運営委員長)


 遺伝子・デリバリー研究会第2回セミナーは、9月21日〜23日、夏の陽射しの残る長崎の稲佐山観光ホテルで行われました。今年は、昨年の参加者数26名を大きく上回る41名のご参加をいただき、最初から熱気溢れる雰囲気で始まりました。セッションは以下の4つに分けて行いました。


1. 遺伝子発現における細胞内動態制御の現状と問題点、
2. In vivo遺伝子発現制御の現状と問題点、 
3. クリニカルサイドからの提案、
4. 新しい遺伝子探索システム


 また、今回は外部より6人の講師の先生を招待しました。特別講演を九州大学生体防御医学研究所の谷憲三朗先生と崇城大学応用生命科学科の上岡龍一先生にお願いし、依頼講演を九州大学工学研究院応用化学部門の片山佳樹先生、九州大学大学院薬学研究院細胞生物の藤田英明先生、長崎大学保健管理センターの中尾一彦先生、長崎大学医学部の柳原克紀先生の4名にお願いいたしました。外部の先生の講演は細胞生物学の基礎から、遺伝子治療の臨床応用経験まで広範囲にわたり、非常に興味深いものばかりでした。その他、研究会員の中から14名の話題提供の講演も行いました。いずれも活発な討論が続き、夕食に間にあわないのではないかとはらはらしました。夕食後のフリーディスカッションはエンドレスに続き、結局午前3時までの盛り上がりを見せました。自由時間は2日目の夕刻3時間しかとれなかったのですが、稲佐山の頂上へ向かう人、長崎市内に行く人、睡眠不足を補う人など、それぞれ有意義に過ごされたようです。2日目夜のビクトリア船上パーティは、青函連絡船の船体を利用したムードあるホテルで行われました。なごやかな雰囲気のまま、銅座での2次会に突入、ホテルに帰るバスはガラガラでした。2次会終了は午前0時、それからチャンポンを食べに行く人、さらにディスカッションを重ねるために飲みに行く人、帰る人に分かれました。この日もディスカッションは午前3時まで続いたようです。最終日は、連日の夜更かし深酒のためか、あるいは勉強のしすぎか、さすがに疲労のにじむ顔が多く見受けられました。セミナーはお昼で解散、来年の参加をかたく誓って各自、家路につきました。

 今回のセミナーにおいて、特別講演、依頼講演をお願いした先生方を始め、運営委員、ご協力くださった先生方に感謝いたします。特に、現地事務局としてご活躍くださった川上茂先生、新留琢郎先生に感謝いたします。


○平成14年度 第2回夏季セミナープログラム(長崎市) 


     特別講演: 講演60分+質疑応答20分
     依頼講演: 講演30分+質疑応答10分
    話題提供: 講演10分+質疑応答10分


 
要旨はA4版1枚にまとめ、35人分(40人分へ変更です!注のコピーを持参のうえ、発表の直前に配付してください。時間の都合上、フリーディスカッション時間が短縮される場合がありますのでご了承ください。

注) 要旨数の変更のお願い。参加申し込み締め切り後に参加人数に若干の変更があったため、要旨が40人分必要になりました。大変申し訳ありませんが、変更の程、よろしくお願い致します。   9/11書き込み。


9月21日

14:00 集合、受け付け、部屋割り
15:0016:40 セッション1 「遺伝子発現における細胞内動態制御の現状と問題点(1)」
                     座長 山岡哲二
15:00〜15:20 長崎 健 「細胞内デリバリーの光制御」
15:20〜16:00 片山佳樹 「細胞内シグナル応答型材料の開発と遺伝子発現制御への応用」
16:00〜16:40 藤田英明 「エンドソーム・リソゾームにおける小胞輸送の分子機構」
16:40〜17:00 休憩
17:0018:20 セッション2 「遺伝子発現における細胞内動態制御の現状と問題点(2)」
                     座長 川上 茂
17:00〜17:40 立花太郎 「核内への物質輸送システムの解析」
17:40〜18:00 山岡哲二 「非ウィルスベクター遺伝子導入効率」
18:00〜18:20 櫻井和朗 「多糖・核酸からなる3重らせんの性質とアンチセンスDNAキャリヤーへの 応用可能性」
18:20〜18:40 新留琢郎 「ピッツバーグ珍道中?1」
18:40〜20:20 夕食
20:20〜   フリーディスカッション (新留琢郎 「ピッツバーグ珍道中?2」)

9月22日
9:009:40 セッション3 「In vivo遺伝子発現制御の現状と問題点(1)」

                     座長 河野健司
9:00〜9:20 小山義之 「in vivoに向けての、非特異的相互作用の制御とターゲティングの可能性」(伊藤智子「コンプレックスの個々のサイズ、ゼーター電位の実測方法」)
9:20〜9:40 有馬 英俊 「デンドリマー/シクロデキストリン結合体を用いた
             in vitro/in vivo遺伝子導入に関する研究」
9:4012:00 セッション4 「In vivo遺伝子発現制御の現状と問題点(2)」
                     座長 佐藤智典
9:40〜10:20 中尾 一彦 「@ アデノウイルスベクター導入効率に及ぼす
               キトサンの影響 A肝癌免疫治療の基礎検討」
10:20〜10:40 休憩
10:40〜11:20 柳原 克紀 「呼吸器科領域における遺伝子デリバリーの現状と将来像」
11:20〜11:40 大津留 晶 「甲状腺未分化癌p53遺伝子治療」
11:40〜12:00 川上 茂  「プラスミドDNAの臓器表面投与による臓器選択的遺伝子導入」
12:00〜13:30  昼食
13:3014:10  セッション5 「クリニカルサイドからの提案」
                     座長 新留琢郎

13:30〜13:50  高見澤 格 「遺伝子治療の対象となる循環器疾患」
13:50〜14:10  柳衛 宏宣 「W/O/Wエマルジョンの原発性肝癌治療への応用」

14:1015:30  セッション6 特別講演1 
                     座長 斯波真理子
        谷 憲三郎 「免疫遺伝子治療の現状:腎癌遺伝子治療の臨床研究経験」

15:30〜18:30  フリーディスカッション
18:30〜     ホテルシップビクトリア船上パーティ(懇親会)

9月23日
9:00〜10:20 セッション7 特別講演2                                                   座長 多比良和誠
        上岡 龍一 「複合脂質膜のみによる制がん機構と臨床応用」

10:20〜10:40 休憩

10:4011:40 セション8 「新しい遺伝子探索システム」
                      座長 長崎 健
10:40〜11:00 伊予 真由 「乳がん細胞由来の二つのがん遺伝子を標的とし
              たトランス型マキシザイムの開発」
11:00〜11:20 池田 豊 「ペプチドー核酸複合体の形成とその応用を目指して」
11:20〜11:40 村田 千怜 「性決定因子SRY遺伝子の発現抑制を目指した
              RNAi発現vectorの構築」
11:40頃    昼食、解散

○平成13年度 第1回夏季セミナー終了報告(那須)こちらをご覧下さい。 


平成14年9月11日更新

 

 

 

第2回 夏期セミナー案内               2002年9月3日改

今年も、恒例の夏季セミナーを長崎市にて開催いたします。 

日時:平成14年9月21日〜23日
場所:稲佐山観光ホテル(http://www.inasayama.co.jp/

会費:30000円(宿泊、食事代込み)

 長崎空港からは、空港バスで約1時間で、長崎駅に着きます。空港バスは、飛行機の発着に合わせて出ております(バスの情報は、http://www4.ocn.ne.jp/~keneibus/index.htm)。また、バスに乗る際、空港出口のバス乗り場にて、往復券を購入しますと往復1200円でお得です(片道は800円)。長崎駅から、稲佐山観光ホテルは、タクシーで約10分、バスで約15分位です。このホテルは、長崎市内を一望できる夜景の綺麗なホテルです。

 なお、22日懇親会は、ホテルシップヴィクトリア(http://hmchotels.com/VICTORIA/main.html)において、18:30より開催します。このホテルは、旧青函連絡船を改造したものです。

参加資格: 遺伝子・デリバリー研究会会員で、研究に従事している方です。(研究企画に携わる方歓迎!) 入会案内は、こちらをご覧下さい。


第2回夏季セミナー運営委員長

国立循環器病センター研究所
バイオサイエンス部
免疫応答研究室

斯波真理子 (E-mail: mshiba@ri.ncvc.go.jp)

第2回夏季セミナー運営委員(名前順)

川上 茂 長崎大院・薬

河野健司 大阪府大院・工

小山義之 大妻女大・家政

佐藤智典 慶應義塾大・理工

長崎 健 大阪市大院・工

新留琢郎 長崎大・工

山岡哲二 京都工繊大・繊維


昨年の第一回夏季セミナー終了報告(那須)です。ご覧下さい。