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杉本研究室・立石 優輔さんが表彰されました!

杉本研究室・立石 優輔さんが第51回構造活性相関シンポジウムでポスター賞(優秀ポスター賞)を受賞しました!

 

~立石さんによる受賞内容の説明~

研究題目「電子状態インフォマティクスによるαグルコシダーゼ阻害剤の探索」

昨今、計算能力の向上と機械学習・AIの普及により、機能性分子、機能性材料のデータ駆動的な探索が進んでいます。機能性分子などの物性や反応性、活性などを正確に予測するためには、電子状態の考慮が不可欠であり、量子化学計算に基づいた予測手法は、予測精度の向上に加え、新たな科学的発見に貢献すると期待されます。

今回、当研究室で開発している電子状態インフォマティクス(ESI)手法を用いたα-glucosidase阻害剤に関する研究成果を報告し、表彰されました。本研究では、電子状態を反映した変数を入力として、α-glucosidase阻害剤の活性値(IC50)を十分に予測できる機械学習モデルを構築しました。更に、このモデルを用いて、天然物から新たな阻害剤の候補を探索(in silicoスクリーニング)し、検討しました。その結果、既報の阻害剤に勝る高活性な阻害剤を見つけることは叶いませんでしたが、モデル構築に使用した教師化合物の構造に類似しない骨格を持つ天然物を複数、発見することができました。この結果から、電子状態インフォマティクス手法は、「教師化合物の構造に制約されない化合物を探索可能」という特徴を持つことが示唆されました。今後、複数のリード化合物の発見に寄与し、薬剤候補の幅を広げ、かつ効果的な医薬品の開発に貢献すると期待されます。

*写真に関する立石さんのコメント:「AI」や「計算科学」らしく背景画像はChatGPTで作成してみました。入力キーワードは「化学」「創薬」「機械学習」です。