伊田研究室・津川 樹さんが電気化学会第92回大会にて優秀学生講演賞を受賞しました!
~津川さんによる受賞内容の説明~
研究題目「酸化グラフェンを用いた室温での高品質グラフェン膜の合成」
酸化グラフェン(GO)を還元することで、良好な電気伝導性を有する還元型GO(rGO)が得られるため,グラフェンを合成する手法として検討されてきました。しかしながら、これまでに報告されている還元手法は、非常に強力な還元剤を用いるか、高温処理(700 ℃以上)による酸素原子の脱離が必要であり、適応できる基材が制限されます。さらに、従来のGO表面にはナノ細孔が高密度に存在するため、還元処理後も電気伝導性は低いことが知られています。我々はこれらの課題を解決する新しいGOとして、細孔フリーのGO(Pf-GO; Pore-free GO)の研究を行ってきました。Pf-GOを精密に還元することができれば、理論的にはグラフェン内にナノ細孔が形成されないため、グラフェンに近い移動度が得られることが期待されます。本研究では、Pf-GOを電気化学的に還元することで、市販のCVDグラフェンに匹敵するシート抵抗値を示すことを明らかにしました。これらの内容を報告し、電気化学会第92回大会にて優秀学生講演賞を受賞いたしました。