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井原研究室・勝田グループ・木田 朋輝さんが表彰されました!

井原研究室・勝田グループ・木田 朋輝さんがGordon Research Conference ~Nucleosides, Nucleotides and Oligonucleotides~ でポスター賞(Excellent poster at 2023 NN&O GRC)を受賞しました!

 

Gordon Research Conference ~Nucleosides, Nucleotides and Oligonucleotides~について
2年に1回ボストンで開催されるミーティングで、Harvard大学やOxford大学に所属する若手研究者や各分野のトップサイエンティストが発表する学会。

 

~木田さんによる受賞内容の説明~

研究題目「In vivo suppression of TRPC6 gene expression by XNA Staple based on RNA hacking technology」

核酸を活用した医薬品には、現在治療が難しい疾患に対する革新的な治療法を開発する潜在能力があります。しかし、天然の核酸(DNAやRNA)で構成された核酸医薬は、体内に投与されると、体の防御機構により速やかに分解され薬の効果が発揮されません。そのため、体内で容易に分解されない人工核酸を核酸医薬に導入することが考えられています。しかし、現在の核酸医薬技術に人工核酸を導入する際には緻密な設計をしなければ、薬としての効果を発揮できなくなります。現在、私たちは「Staple核酸」という短鎖核酸を使用して、疾患関連遺伝子の発現を抑制する技術の開発に取り組んでいます。この技術は、従来の核酸医薬技術とは異なる作用機序を持つため、人工核酸の導入に緻密な設計を必要とせず薬効を発揮することができます。今回我々は人工核酸の一種であるL-aTNA(acyclic L-threoninol nucleic acid)をStaple核酸に組み込み評価を行いました。その結果、L-aTNA Stapleが心臓肥大モデルマウスに対してその進行を抑制できることを明らかにしました。今後は、Staple核酸の体内毒性や局在を明らかにすることで、Staple核酸の医薬品化を目指します。