木田研究室・山田 白鳥さんが第15回CSJ化学フェスタにて優秀ポスター賞を受賞しました!その研究成果が論文掲載・報道されました!
研究題目「有機溶媒添加によるCsCuCl3の自然分晶の誘起」
発表形式:ポスター発表
~受賞の説明~
キラリティーは右手と左手のように、あるものの鏡像が重ね合わせられない関係を指します。有機分子においてキラリティーは広く知られた概念ですが、無機結晶においてもキラルな関係にある物質が存在します。三塩化銅セシウム (CsCuCl3) は右手型・左手型の結晶が存在するキラルな無機結晶として知られ、その構造に由来したキラル機能物性が期待されています。一方、結晶化の際に右手型・左手型のドメインが混在し、ラセミ双晶を形成してしまうことが課題です。天然に産出する鉱物である水晶 (α-SiO2) もキラルな無機結晶ですが、産出地によって異なる形態や双晶構造 (日本式双晶、ブラジル式双晶、ドフィーネ式双晶 etc.) をもちます。これは、結晶化温度や不純物の存在といった結晶成長条件が異なることに由来すると考えられます。これに着想を得て、結晶成長条件を変えることで無機結晶のキラリティーを制御できないかと考えました。本研究では結晶化の際にアルコール類などの有機溶媒を添加することで右手型・左手型の三塩化銅セシウムにそれぞれ結晶化し光学分割できることがわかりました。
また、本研究成果は科学雑誌「Crystal Growth and Design」に掲載され(URL:https://doi.org/10.1021/acs.cgd.5c01350)、科学新聞 (2026/1/16) で報道、Science Japan (JST) などで紹介されました(URL: https://sj.jst.go.jp/news/202602/n0219-03k.html)。今後、無機結晶を光学分割する方法論をさらに探索していく予定です。
