研究概要ABOUT RESEARCH

 現代社会は様々な問題に直面していますが,特に環境問題は地球規模で対策を取らねばならない状況にあります。化学は環境負荷を低減するための材料創製に密接に関わっています。例えば,リサイクル寿命の長いバッテリーやハイパワーを出力できる電池,自動車の排ガスの高効率な浄化,省電力を実現する回路(ナノ細線)の開発などが挙げられます。持続可能な循環型社会の実現は日本のみならず,世界規模で求められています。
 本研究室では,電気化学をベースにした界面ナノレベル計測を主な研究分野として,環境負荷低減に役立つ新規ナノ構造や触媒のデザインによる新しい機能発現探索,電気化学センサー,その電極反応のメカニズム解明に取り組んでいます。具体的には,走査型プローブ顕微鏡を用いた表面構造解析(図1),赤外分光やラマン分光を利用した振動分光による構造解析(図2)が主たる手法です。
 最近の研究対象は,ポルフィリンなどの金属錯体や芳香族多環系炭化水素などの組織化,金属クラスターのサイズ制御,機能性チオール単分子膜,農薬検出のためのセンサー開発,イオン液体電気化学界面の解明と電子移動制御,等に焦点を当てて研究を展開しています。また,他研究機関との共同研究を積極的に推進しています。特に平成28年4月の熊本地震後は,東京工業大学,九州大学,産業技術総合研究所との連携や協定に基づいて研究を展開しています。

  • 【図1.走査型トンネル顕微鏡の装置とその原理】




  • 【図2.ラマン分光装置とシグナル増強のイメージ】



キーワード : 電気化学・配位化学・表面科学

連絡先

国立大学法人 熊本大学
西山・吉本研究室

〒860-8555
熊本市中央区黒髪2丁目39番1号
TEL096-344-2111(代表)

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