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木田研究室・明石優志君の研究が論文掲載されました!

木田研究室・木田グループ・明石優志君(修士2年生)の研究がChem. Communに掲載されました!

~明石優志くんによる論文内容の説明~

サイズが2~12 nmの半導体ナノ結晶は量子ドットと呼ばれ,発光材料や電子材料として近年注目を集めています.量子ドットの蛍光は励起域が広く,発光ピークが狭いため,蛍光のON/OFFスイッチングができれば高密度光メモリや超解像イメージングへの応用が可能になります.

本研究はCsPbX3 (X=Cl, Br, I)を基本とした量子ドットをフォトクロミック分子の一つであるジアリールエテンと組み合わせることでON/OFF蛍光スイッチングに成功しました.ジアリールエテンは開環体と閉環体の2種類の構造体を持っており,光反応によって互いの構造体を容易に往き来することができます.2種類の構造体のうち,閉環型のジアリールエテンはエネルギー受容体として機能し,CsPbX3量子ドットの発光エネルギーを吸収して暗状態(OFF状態)を作り出します.一方で開環型のジアリールエテンはエネルギー受容体としての機能を持たないので,CsPbX3量子ドットは本来の発光(ON状態)を示します.この働きを利用することで可逆的なON/OFF蛍光スイッチングを実現しました.

本技術は簡易かつ安価・効率的に発光をスイッチングでき,多色化も可能であるため種々の応用が期待されます.