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井原研究室・五木結愛さんが表彰されました!

井原研究室・五木結愛さんが日本ケミカルバイオロジー学会 第16回年会で「ポスター賞」を受賞しました!

~五木さんによる受賞内容の説明~

近年、いままでの創薬技術では狙うことの難しかったmRNA(メッセンジャーアールエヌエー;タンパク質に翻訳される遺伝情報をもったRNA)を標的とすることができる核酸医薬に注目が集まっており、パーキンソン病(PD)などの現在確立された治療法がない疾患に対する新規治療薬の創出が期待されています。実際、PDやそれに類する疾患の治療薬開発は盛んに行われており、上市された医薬品も存在しています。

今回私は、mRNAの構造を変化させる短鎖核酸(Staple核酸)を用いてPD原因遺伝子の発現を細胞レベルにおいて半分以下に抑制することに成功しました。Staple核酸を用いた遺伝子発現抑制技術は、現在主流である核酸医薬技術とは作用機序が大きく異なり、医薬品が生体内で長期間安定に滞留できる可能性が高くなります。また、中枢神経を標的臓器としたDDSの検討も、既存技術に比べ制限なく行うことができるなど、多くの利点があります。今後、Staple核酸を用いて動物体内においても原因遺伝子の発現を抑制することで、PDの新規治療薬開発に大きく貢献できると考えています。