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伊田研究室・津川樹 さんが表彰されました!

伊田研究室・津川樹さんが化学工学会第53回秋季大会で「優秀発表賞」を受賞しました!

~津川さんによる受賞内容の説明~

研究題目「酸素官能基を制御した酸化グラフェンを用いたガスバリア膜の開発」

本研究の目的は、単一の酸素官能基(エポキシ基)を有し、欠陥構造をほとんど持たない構造規則性の高い酸化グラフェン(epGO ; epoxy group-controlled Graphene Oxide)を用いたガスバリア膜の開発です。酸化グラフェン(GO)は、主に炭素と酸素原子からなる厚さ約1nmの二次元材料で、表面に多種の酸素官能基をもつため、水やジメチルホルムアミドなどの様々な溶媒に対して分散性が高く、分散液を滴下するだけで、容易に多様な形状の積層膜を作製できるなどのガスバリア利用に向けた優れたポテンシャルを持ちます。しかしながら、従来のGOではシート面内に存在する高密度の欠陥によって起こるガスバリア性能の低下が課題でした。本発表では、欠陥構造を持たないepGOを用いた積層膜が、従来のGO膜に比べて高い水素ガスバリア特性を得られることを報告し、本賞を受賞しました。これらの結果はGO膜の産業利用に向けた重要な結果であると考えており、今後は最適な還元条件を見つけ出し、層間隔の制御を行うことで、さらなるガスバリア性能の向上を目指します。