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町田研究室・岩井宏興 さんが表彰されました!

町田研究室・岩井宏興さんが第131回触媒討論会で「学生講演賞」を受賞しました!

~岩井さんによる受賞内容の説明~

研究題目「アルミナ担持Pdナノ粒子の原子スケール3次元構造の解明」

顕微鏡は、ミクロな世界を直接観察するための非常に優れた手段です。可視光線を用いた光学顕微鏡から始まったこの手法は、より波長の短い電子線を用いた電子顕微鏡へと発展し、いくつかのブレークスルーを経て飛躍的な分解能の向上を遂げました。電子顕微鏡は現在、原子一つひとつを識別できる領域に達しており、特にナノ粒子に関しては、粒子を構成する原子の座標と種類を特定する手法が確立されつつあります。これは原子分解能電子線トモグラフィーと呼ばれ、今までは見えなかった、あるいは間接的にしか見えなかったことを直接可視化できるようになりました。また、ナノ粒子は触媒として広く用いられており、何らかの土台(担体)に固定化(担持)された状態で使用されることがよくあります。私たちはこの担持ナノ粒子の構造を電子線トモグラフィーにより解明する研究に取り組んでいます。本研究における最大の課題は担体によるトモグラフィーへの影響を除去することでしたが、ここに機械学習を導入するという今までにないアプローチを採用し、その有効性について報告しました。今後はトモグラフィー精度の向上や担体によるナノ粒子への影響の解明を目指します。