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山口研究室・川上 凌平さんが表彰されました!

山口研究室・川上 凌平さんが第29回日本生物工学会九州支部福岡大会で講演賞(学生賞)を受賞しました!

 

~川上さんによる受賞内容の説明~

研究題目「微量なDNA断片の増幅を目指したDNA均一化法の効率化」

環境中には様々な遺伝子資源があり、古くから機能的なタンパク質(酵素)の探索が行われてきました。しかし、極度に微量なDNA(低コピー種)については従来の技術で獲得できていないと考えられており、それらを増幅する技術が求められています。「DNA均一化法」は、様々な配列・量比のDNAが混合しているサンプルから、低コピー種のみを増幅させることができる技術です。

本研究では、2種類の薬剤耐性遺伝子CmRとAmpRをモデル遺伝子として使用し、薬剤耐性を得た大腸菌コロニーの個数からそれぞれ遺伝子量の変化を評価しました。はじめにCmRとAmpRを1:10⁻⁵の量比で混合して大腸菌に導入すると、AmpRは微量であるため発現せず、Amp耐性のコロニーも形成されません。しかし、この遺伝子混合液を熱処理し、ハイドロキシアパタイトと呼ばれる樹脂で処理することで、低コピーDNAを分離することができます。さらにその溶液をDNAポリメラーゼによって増幅することで、AmpRのコピー数が増加し、Amp耐性のコロニー形成数も増加しました。DNA均一化によって微量な遺伝子を増幅し、発現させることができたことから、環境中に潜む新規遺伝子の発見が期待できます。