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井原研究室・嘉村匠人君が表彰されました。

井原研究室・勝田グループ・嘉村匠人君(修士2年生)が第24回日本化学会九州支部・韓国化学会釜山支部合同セミナーにおいてポスター賞を受賞しました!

~嘉村匠人くんによるポスター内容の説明~

アンチセンス核酸やsiRNAなどの核酸を用いた遺伝子発現抑制技術は次世代の医薬品として大きな期待が寄せられています。しかし、実際に医薬品への応用を目指す上においては、核酸が体内に導入された後の安定性や、予期せぬ目的外遺伝子発現を抑制してしまうオフ・ターゲット効果を考慮する必要があるとされています。この問題に対して、化学者を中心に修飾核酸という特殊な核酸を利用することで問題の解決が図られていましたが、薬効の低下などが問題となり臨床試験に進むような核酸医薬は出現していません。

このような背景から、私たちはタンパク質翻訳反応を抑制することが知られているRNA G-quadruplex構造に着目し、核酸を導入することで人為的にRNA G-quadruplexを形成させるという全く新しい核酸医薬の概念を開発しています。このシステムは酵素反応を利用しないため使用する修飾核酸に制限がなく、標的配列外では遺伝子発現抑制システムは作動しないためオフ・ターゲット効果も配慮する必要がありません。私たちが開発した新規遺伝子発現制御法は次世代型核酸医薬としての応用可能性があると考えています。