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町田研究室・古久保 真奈さんが表彰されました!

町田研究室・古久保 真奈さんが第17回触媒道場でポスター賞(優秀ポスター賞)を受賞しました!

 

~古久保さんによる受賞内容の説明~

研究題目「金属リン酸塩担持Pt触媒のH2-SCR特性」

水素エンジンは次世代の自動車動力源として期待されていますが、運転に伴って排出される窒素酸化物(NOx)の除去(脱硝)技術が課題となっています。そこで、触媒表面においてNOxを無害なN2とH2Oに変換する選択的触媒還元(SCR)技術の適用が望まれます。SCR向けの触媒としては、貴金属粒子を安価な支持材に担持したものが多く研究されており、特に白金担持型の触媒が高い活性を示すとして注目されています。しかしながら、実際の走行状況においてはNOxが十分に無害化されないまま排出される場合があり、さらなる触媒活性の向上が求められます。

そこで、本研究ではリン酸ジルコニウム上の白金担持量および構造に着目し、SCR特性との相関を検討しました。まず白金担持量に対する触媒活性の変化を調べたところ、低担持量にするほどNO転化率とN2選択率が高くなり、さらに副生成物であるN2O及びNO2の生成が抑制される傾向を示しました。次に、電子顕微鏡を用いて各白金担持量に対する触媒の微小構造を観察しました。高担持量では比較的大型の白金粒子および、直径が1 nm程度の白金サブナノ粒子が混在する様子を確認しましたが、低担持量では大型の白金粒子はみられず、白金サブナノ粒子のみを確認しました。また、白金の酸化状態を分析したところ、白金サブナノ粒子は主に酸化物から成ることが分かりました。今後は担持法およびSCR反応機構を詳細に解析することで、さらに高性能な触媒の開発を目指す予定です。