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木田研究室・岩井 大さんが表彰されました!

木田研究室・岩井 大さんが第60回化学関連支部合同九州大会でポスター賞(九州電気化学ポスター賞)を受賞しました!

 

~岩井さんによる受賞内容の説明~

研究題目「光学活性無機結晶と酸化スズガスセンサの複合化によるキラルガスの識別」

キラリティーとは右手・左手関係にあり、その鏡像を重ね合わせることができない関係を指します。人間の嗅覚はその受容体が L-アミノ酸からなるタンパク質で構成されていることから匂い分子のキラリティーを識別することができ、柑橘成分であるα-リモネンは R 体(右手系)ではオレンジの香り、S 体(左手系)ではレモンの香りと感じ方が異なっています。そのため、人間の嗅覚を人工的に模倣し、匂い分子を識別する試みが行われているものの、未だ実現には至っていません。半導体ガスセンサは人間の嗅覚と同等レベルの微量ガス成分を識別でき、有害ガス等の検知に用いられています。本研究ではキラルセンシングのために半導体ガスセンサ表面にタンパク質と同様に光学活性活性無機結晶を塗布することで不斉環境場を構築しました。キラル選択的に光学活性無機結晶とガス分子を相互作用させることにより、ガス成分のキラリティーに応じたセンサ応答性を期待しました。作製したキラル半導体ガスセンサを用いて、低濃度のキラルガスを流通させたところガス分子のキラリティーによって応答性に違いが生じ、光学活性無機結晶が不斉環境場となってキラルガスを識別するセンシング特性が示されました。この研究によるキラル半導体ガスセンサの実現は、安価でかつ迅速な検知が可能なキラルセンシング技術を提供できる大きな価値をもつと考えています。