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山口研究室・濱崎 千夏 さんが表彰されました!

山口研究室・濱崎千夏さんが九州微生物研究フォーラム2021で「優秀賞」を受賞しました!

~濱崎さんによる受賞内容の説明~

抗菌薬は感染症治療において汎用されていますが、薬剤に耐性を持つ細菌の増加が問題になっています。我々は最近、βラクタム剤のポリカルボン酸化修飾が抗緑膿菌効果を増強することを報告しました(Akter et. al., Microbiol. Immunol. 2021 in press)。そこで本研究では新しく開発したポリカルボン酸化修飾したβラクタム剤の、薬剤耐性菌であるメタロ-β-ラクタマーゼ産生菌に対する効果について検討を行いました。

ポリカルボン酸化修飾したβラクタム剤としてDTPA-cefalexinを合成し、その抗菌活性とメタロ-β-ラクタマーゼに対する阻害活性を評価しました。その結果、DTPA-cefalexinは薬剤耐菌に対して抗菌活性を発揮するとともに、薬剤耐性酵素であるメタロ-β-ラクタマーゼの活性を阻害することが分かりました。さらに他のβラクタム剤の共存下では、その抗菌活性を劇的に増強することが明らかにしました。今後は、DTPA-cefalexinの詳細な抗菌活性メカニズムと、β-ラクタマーゼ阻害活性分子相関の解明を目指します。

*本研究は、本学生命科学研究部微生物講座の澤 智裕教授との共同研究にて実施されました。