國武研究室 熊本大学工学部 物質生命化学科 高分子材料研究室

研究内容

固液界面における自己組織化による超分子構造構築詳しく見る

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固体表面に分子を積み上げていくボトムアップタイプのナノテクノロジーの確立を志向し、ナノスケール特に分子スケールでの現象の解明を目指している。プローブ顕微鏡により基板上に吸着された分子に働く様々な相互作用のバランスを視覚的に理解しながら制御することで、表面において特徴的なパターン構造を自発的に形成させることに成功している。

 

両連続相マイクロエマルションを応用した電気化学・高分子化学詳しく見る

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熱力学的平衡状態で水と油がミクロに混在した溶液であるマイクロエマルションでは、界面活性剤の親水性・親油性バランスを調節することで、Oil in Water相、どちらの相も閉じていない両連続相、Water in Oil相まで、連続的に構造を制御することができる。親水性・親油性のバランスがちょうど釣り合った状態において現れる三相系マイクロエマルション中の中間相は、水相と油相のどちらも連続相であるという興味深い両連続構造を有する。この中間相溶液はミクロ水相を通路としたイオン伝導性を持ち、電気化学反応が可能であることを証明している。

 

有機・無機コンポジット微粒子の階層的構造制御詳しく見る

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近年、新しい有機/無機ハイブリッド材料としてコアシェル型の無機/ポリマーコンポジット粒子への関心が高まっている。本研究室では、従来の界面活性剤分子を用いた乳化重合による高分子微粒子作製方法に代わり、サブミクロンサイズの単分散シリカ粒子分散水溶液中においてスチレンの静置重合を行うことで、単分散PS粒子が得られることを報告してきた。また、モノマーとしてスチレンに代わり、メタクリル酸メチル (MMA) を用いると、PMMA粒子の表面にシリカ粒子がとびとびに吸着した金平糖状のシリカ/PMMAコンポジット粒子が得られることも報告している。異なる粒子間のチキソトロピー発現や、コンポジット粒子の生成とその形態が、シリカとポリマーの間の比較的弱い相互作用や水溶液から分配による影響として、制御可能であることが体系化に明らかになった。

 

構造制御された無機高分子の合成と特性評価詳しく見る

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ナノかご構造を有するシルセスキオキサン(POSS)を含むナノ材料は高耐熱特性、低誘電特性のほか光学特性を期待され基礎研究だけでなく工業的にも広く注目を集めている。國武研究室では2官能性のかご型シルセスキオキサン(POSS) とジメチルシロキサン(DMS)を共重合することで、ナノ構造が高度に制御されたネックレス型POSS-DMS共重合体を合成することに成功した。ネックレス型POSS-DMS共重合体は重縮合や開環重合により合成され、DMS部位の鎖長により熱特性が変化することを明らかにした。
※ 2官能性POSSの原料はJNC株式会社より提供を受けています。

 

生体系分子をターゲットとした選択的吸着材料の開発詳しく見る

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エンドトキシン(リポ多糖類、LPS)は、大腸菌などの細菌の細胞壁に存在する高分子で、水道水や蒸留水にも普遍的に存在している。LPSを含む溶液を注射溶液として投与すると、ごく微量でもショック死を起こすなどの副作用があるため、注射用医薬品の製造工程ではLPSの除去が必須となっている。本研究室ではLPS我々の研究室ではDNA/LPS混合溶液からのLPS選択的除去剤の作製を報告している。

 

新しい原理に基づくフレキシブル透明ディスプレイの創出詳しく見る

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有機半導体の性能が向上し、フレキシブルエレクトロニクスデバイスの実用化を目指して研究されている。しかし、電気集積回路の存在による透明度の低減や有機材料固有のデバイス寿命の短さなどの本質的な問題が現在も存在している。本研究室では、近赤外光を可視光に変換可能なセラミックスアップコンバージョン発光材料とポリマーアレイ導波路格子デバイスを応用した新しい原理に基づくフレキシブル透明ディスプレイを作製する研究を行っている。モニター部分に電気集積回路や投影設備を必要としないために、透明度を著しく増加できる可能性を秘めており、発光層をセラミックス材料で作製しているために、デバイス寿命を有機発光デバイスに比べて大幅に伸ばすことに成功した。

 
 
研究室について
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発表文献
研究内容
固液界面における超分子自己組織化
両連続相マイクロエマルションの応用
有機・無機微粒子の階層的構造制御
ナノ構造を制御された無機高分子の合成
生体分子の選択的吸着剤の開発
新しい原理に基づくフレキシブル透明ディスプレイの創出
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