研究室紹介research

材料化学工学(木田研究室)

化学工学は分子レベルでの反応機構解析から実規模装置を用いた実用化研究に至るまで幅広い研究フィールドと関わりがある重要な学問・研究分野です。本研究室では、「材料・環境・エネルギー」をキーワードに、ナノ材料合成技術、機能デバイス開発、超臨界流体利用技術、バイオマス有効利用技術など多方面の研究を推進しています。

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ナノ材料合成

酸化物・硫化物・ハロゲン化物のナノ結晶、ナノロッド、ナノワイヤ、単結晶、キラル結晶について合成技術開発を進めています。これらの材料はその特異な形態に応じてユニークな物理・化学的な性質が発現するため、機能材料としての利用が大きく期待されます。

本研究室では、ナノ材料の精密合成法の研究に加えて、それらを用いた発光のスイッチングや光エネルギーの貯蔵、ガスセンシング、有機合成反応などへの応用を検討しています。

ハロゲン化物ナノ結晶と配位子合成/キラル結晶合成

ハロゲン化物ナノ結晶と配位子合成/キラル結晶合成

環境計測ガスセンサ

大気環境保全のためには汚染物質の排出をできるだけ低減し、浄化するような新しい技術や化学プロセスの開発が重要です。また、それと同時に大気への汚染物質の排出や汚染の実態を容易に計測できるセンサが開発されて初めて有効な解決法が見出されると考えています。

現在、ガス吸着によってキャリア濃度が大きく変化するナノサイズの酸化物半導体や、固体内をイオンが電導できる固体電解質を用いることで、小型かつ安価で、リアルタイム計測によるフィードバック制御が可能なセンサの開発を試みています。また各種オペランド測定技術を用いてガスセンサの応答機構の解明も進めています。

ガスセンサのオペランドDRIFT測定

ガスセンサのオペランドDRIFT測定

酸化グラフェンを用いた電気化学デバイス・バイオマス変換プロセスの開発

炭素材料は資源的制約の無い無尽蔵のレアメタルフリー材料です。特に、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどのナノ炭素材料は、多機能材料として脚光を浴びています。我々は、これらナノ炭素材料の中でも、グラフェン類縁体である酸化グラフェン(Graphene Oxide; GO)に着目しました。

本研究室ではGOのプロトン導電性、混合導電性、触媒活性に着目して、環境・エネルギー技術として電気化学リアクター(水蒸気電解・CO2還元・有機化合物の水素化)、水素透過膜、バイオマス変換プロセスの開発を進めています。バイオマス変換については超臨界流体やマイクロ波といった特殊反応場を利用するプロセスの開発も行っています。

GO膜を用いた水素分離

GO膜を用いた水素分離