研究室紹介research
生命工学(新留研究室)
生命工学(バイオテクノロジー)は、生物学と工学との単なる組み合わせではなく、化学、物理学、そして、医学、薬学といった様々な学問が融合した学際的な学問分野です。本研究室では生命の持つ様々な機能を深く理解し、これをもとに私たちの健康を支える技術を開発しています。
ナノ粒子を使った薬物送達システムの開発
薬物送達システム(DDS)は薬物を必要な場所に、必要な量を、特定の時間作用させる技術で、薬効の増強、副作用の軽減、そして、経済性の向上が期待されます。私たちは、生分解性ポリマーナノ粒子やシリカナノ粒子、金ナノ粒子を使い、特性の細胞へ薬物を送達する技術に関する研究をしています。特に、標的細胞としてマクロファージに注目し、そして、新たな抗炎症作用を持つ化合物の探索も行いながら、様々な炎症性疾患の新たな治療法を開発しています。他にもがん組織へのDDS、また、銀ナノ粒子を使った感染症治療法についての研究も進めています。
マクロファージがナノ粒子を取り込む様子
医療材料としてのグラフェン量子ドット
グラフェン量子ドットはナノサイズのグラフェンで蛍光を発したり、抗菌・抗ウイルス活性をもち、新たな医療材料として期待されています。私たちは独自の合成方法を見出し、その生成機構の解明から、医療材料としての応用まで幅広く研究を進めています。
グラフェン量子ドットの蛍光と電子顕微鏡像
医療材料としてのシルクフィブロイン
シルクフィブロインはカイコが産生する繊維タンパク質で絹糸の主要成分です。私たちはこれをスポンジやフィルム、チューブ、マイクロ粒子など様々な形状に加工し、医療材料として応用する研究を進めています。
カイコがつくる繭とフィブロインフィルム